2012 Fiscal Year Annual Research Report
mPGES-1発現阻害薬のリード化合物探索とターゲット分子同定
Project/Area Number |
23659138
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笹栗 俊之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30261209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 富美 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50274436)
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Keywords | 抗炎症薬 / mPGES-1 / 炎症 / がん |
Research Abstract |
我々は、細胞性粘菌が分泌する低分子化合物DIFが、膜結合型プロスタグランジンE2合成酵素-1(mPGES-1)の遺伝子発現を強力に抑制することを見出した(特許出願2009-238935)。mPGES-1は炎症反応において重要な役割を担っており、心筋梗塞など心血管イベントの発生率を上昇させるという重大な副作用を有することが明らかとなったシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)をターゲットとするCOX-2選択的抗炎症薬に代わる新規抗炎症薬の創薬ターゲットとして注目されている。そこで本研究では、天然化合物ライブラリーからDIF以外の新たなmPGES-1発現阻害物質をスクリーニングし、全く新しい機序の抗炎症薬を開発するためのリード化合物を探索し、そのターゲット分子を含む作用機序の解明を試みることを目的とした。本年度は、理化学研究所から提供を受けた天然化合物ライブラリーを用いた検討からmPGES-1プロモーター活性をDIF以上に強力に抑制することを昨年度見出したniclosamideの作用機序について検討を行った。DIFはWntシグナル伝達経路の抑制作用を有することから、niclosamideがこの情報伝達経路に及ぼす作用について検討したところ、DIFとは異なりniclosamideにはこの経路への特異的な抑制作用は認められなかった。また、DIFおよびniclosamideで刺激した細胞からmRNAを抽出し、DNAマイクロアレイによる解析を行ったところ、炎症に関与する遺伝子で共通に増加もしくは減少している遺伝子は見いだせなかった。
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Research Products
(6 results)