2012 Fiscal Year Annual Research Report
無細胞抗体ディスプレイを用いた神経ーグリア相互作用創薬標的のハイスループット探索
Project/Area Number |
23659141
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
櫻井 隆 順天堂大学, 医学部, 教授 (70225845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 直人 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60509727)
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Keywords | 神経科学 / プロテオーム / 組換え抗体 / 薬理学 |
Research Abstract |
神経細胞は複雑な構造を持ち、グリア細胞との局所的な相互作用により機能調節を受けている。これに関わる細胞表面分子を探索し機能解析するためには、相互作用の場における時間分解能の高い方法を用いる必要がある。フルオレセイン標識抗体と光照射によるリアルタイム蛋白質不活性化法 (FALI) はそれに適した方法であるが、標的となる表面分子に対する抗体の調製に多大な時間と労力を要することが大きな障害となっていた。本研究では、無細胞系の抗体ディスプレイ法としてcDNA ディスプレイ技術を用いることによりこの問題を克服し、FALIを用いた細胞表面機能分子探索及び機能解析を行うための基盤技術を確立しようとするものである。 本年度は、前年度に引き続き組換え抗体のcDNA ディスプレイ化及び神経-グリア相互作用のモデル実験系の検討を中心に研究を実施した。組換え抗体は、抗原結合に関わる可変領域により構成されており、直接抗原と接触する3つの超可変領域とそれらをつなぐ4つの共通性の高いフレームワーク領域からなっている。本研究では、分子量を小さくするため重鎖のみからなる組換え抗体ライブラリーを用いた。両端の共通部分に相当するプライマーを用いることにより、ごく微量の組換え抗体をコードするDNAをPCR増幅してピューロマイシンリンカーと連結する過程の条件を確立した。研究分担者である根本らにより開発・改良されたフルオレセイン標識ピューロマイシンリンカーを用いてモデル系を用いたcDNAディスプレイ分子発現の条件検討を行った。また、神経-グリア相互作用に重要な役割を果たすことが知られているニューレグリン-erbB受容体相互作用を用いたモデル系を用いるために必要な実験系を確立した。今後は、これらの基礎的技術をもとにモデルとなるスクリーニングを開始するための研究を進める予定である。
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