2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞極性可視化トランスジェニックマウスを用いた生体内細胞融合の解析
Project/Area Number |
23659162
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
及川 司 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (20457055)
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Keywords | 細胞極性 / イノシトールリン脂質 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
イノシトールリン脂質による極性形成の可視化を個体に応用するために、イノシトールリン脂質結合ドメインを発現するトランスジェニックマウスの作製を行っている。極性可視化に用いるイノシトールリン脂質結合ドメインの持つ潜在的な毒性を考慮に入れ、発現部位と発現時期をコントロールできる、KH2 ES 細胞からマウスを樹立することを試みている。これは目的遺伝子をDNA 組換え酵素Flippase により、染色体の特定の遺伝子座 (ColA1 下流)に1 コピーだけ保持させることができるものである(Hochedlinger K. et al. Cell, 2005)。さらにKH2細胞はRosa26遺伝子の下流に、抗生物質doxycyclinを投与すると活性化する転写因子(rtTA)を持っており、目的遺伝子の発現がdoxycyclinで誘導できる。このアレルをクロスアウトし、細胞系譜特異的にrtTAを発現するマウスと掛け合わせることで、発現組織を特定の細胞系譜または臓器に限定することができる。目的遺伝子を保持するKH2 ES 細胞においては、サザンブロットで目的遺伝子の保持を確認し、さらにmRNA、タンパクの発現チェック及び共焦点顕微鏡による蛍光シグナルの確認も行った。このES細胞をaggregation法で桑実胚に導入し、偽妊娠マウスへ移植し、移植胚由来のマウス(キメラマウス)を得たが、ES細胞由来の目的遺伝子が生殖細胞を通じて次世代に伝えられる個体はまだ得られていない。用いたES細胞の質に問題があると考え、別なストック由来のもの新たに購入し、再度キメラマウスの産生を行っている。
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