2012 Fiscal Year Annual Research Report
膵α細胞機能解析法の確立と、遺伝子改変動物を用いたα細胞障害メカニズムの解明
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23659169
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
北村 忠弘 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (20447262)
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Keywords | 糖尿病 / FoxO1 / ATF3 / α細胞 |
Research Abstract |
Rosa26-eGFPマウスをGlucagon-creマウスと交配したが、α細胞でのGFP発現が非常に弱く、セルソーターで回収できる程度になかった。3種類の抗体(C-19、H-90、abcam)を用いて、膵臓におけるATF3の発現パターンを調べた。野生型マウスの膵臓切片において、これらのATF3抗体とインスリン、あるいはグルカゴン抗体との2重免疫染色を施行した所、C-19抗体ではATF3はグルカゴンと共染色したが、インスリンとは共染色しなかった。一方、H-90抗体とabcam抗体ではATF3はインスリンとグルカゴンの両方と共染色した。また、C-19抗体ではATF3は細胞質優位に染色されており、H-90とabcam抗体では核に優位に発現が確認された。これらの結果から、ATF3は染色に用いる抗体によって膵臓における発現パターンが異なって解釈される可能性が示唆された。一方、これらの抗体を用いて、高脂肪食飼育マウスとdb/dbマウスのラ氏島細胞におけるATF3とFoxO1の発現レベルを、組織免疫染色を用いて検討したが、コントロールマウスと比べて有意な差は認められなかった。膵臓特異的ATF3欠損マウスを作成、解析した。血糖値は空腹時、食後ともコントロールと比べて差がなく、糖負荷試験の結果、耐糖能にも変化を認めなかった。一方、血中インスリン濃度と血中グルカゴン濃度にも差を認めず、膵臓の組織学的形態も異常を認めなかった。従って、既報と異なり、ATF3の膵β細胞、α細胞における役割は少ないと考えられた。α細胞特異的FoxO1ノックインマウスを作成、解析した。血糖値は有意に上昇し、耐糖能も悪化していた。インスリン感受性は低下し、血中グルカゴン濃度は上昇していた。従って、α細胞のFoxO1は恐らくグルカゴンの分泌を増加させることで血糖値を上昇させると考えられた。
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Research Products
(3 results)