2012 Fiscal Year Research-status Report
低酸素センサーを標的とした2型糖尿病治療法の探索と展開
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23659175
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
南嶋 洋司 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20593966)
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Keywords | 低酸素 / HIF / PHD / インスリン感受性 |
Research Abstract |
低酸素に対する応答反応は、低酸素応答のマスターレギュレーターとも呼ばれる転写因子HIFによって制御されるが、そのHIFもまたプロリン水酸化酵素PHD(主にPHD2)によって負に制御されている。すなわち、PHD2は細胞胞内酸素濃度センサーとして低酸素応答を負に制御しているということが出来る。 PHD2を全身で破壊させたマウスにおいては、対照群と比較して著明な空腹時低血糖が観察されるだけでなく、グルコースの腹腔内投与にても血糖値の上昇が殆ど認められない。さらに、インスリン投与によるAktのリン酸化が亢進していたことから、PHD2を失活させるとインスリン感受性が亢進し、それによって血糖が降下すると考えた。 そこで、PHD2ノックアウトマウスにおいて高脂肪食ダイエットによる二型糖尿病のモデルマウスを作製し、PHD2を失活させることが、高脂肪食ダイエットによるインスリン感受性の低下(インスリン抵抗性)を改善することが出来るかどうかを確認した。その結果、PHD2ノックアウトマウス群では摂食時・空腹時ともに対照群と比較して有意に血糖値が低下していることが解った。 H24年度は、PHD2欠損によって活性化された低酸素応答が幹細胞におけおるインスリン感受性をどのように制御しているかを調べるため、肝細胞特異的にPHD2破壊したマウスにおける同様の実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高脂肪食ダイエットによるインスリン抵抗性モデルの作製に、当初の予定よりも時間が必要とされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
骨格筋特異的に低酸素応答を活性化させたモデルマウス(骨格筋特異的PHD2ノックアウトマウス)モデルでも昨年度までと同様の実験を行い、最終的に低酸素応答が肝・骨格筋に於いてインスリン抵抗性を改善することを確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
高脂肪食ダイエットモデルマウスの作製が遅れたため、24年度の研究費に未使用額が生じたが、その分は25年度に行う予定だった研究計画とあわせて、物品購入費(試薬、消耗品)と学会出張に使用する予定である。
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Research Products
(10 results)