2013 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素センサーを標的とした2型糖尿病治療法の探索と展開
Project/Area Number |
23659175
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
南嶋 洋司 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20593966)
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Keywords | 低酸素 / HIF / PHD / インスリン感受性 / インスリン抵抗性 / 代謝 / 糖尿病 |
Research Abstract |
低酸素に対する応答反応は、低酸素応答のマスターレギュレーターとも呼ばれる転写因子HIFによって制御されるが、そのHIFもまたプロリン水酸化酵素PHDによって負に制御されている。すなわち、PHDは細胞胞内酸素濃度センサーとして低酸素応答を負に制御しているということが出来る。 PHDファミリー(PHD1~PHD3)のなかでも、PHD2が主要なプロリン水酸化酵素であり、研究代表者が作製したPHD2を破壊したマウス(タモキシフェン投与によってPHD2遺伝子を全身で破壊できるコンディショナル・ノックアウトマウス)は、通常酸素濃度下においてもHIFが恒常的に活性化し、細胞内エネルギー代謝が「低酸素と勘違いした」かのような状態に陥る。本研究では、その低酸素応答におけるエネルギー代謝の制御、特に糖代謝の制御機構に着目している。 PHD2を全身で破壊させたマウスにおいては、対照群と比較して著明な空腹時低血糖が観察されるだけでなく、グルコースの腹腔内投与によっても血糖値の上昇が殆ど認められない。さらに、インスリン投与によるAktのリン酸化が亢進していたことから、PHD2を失活させるとインスリン感受性が亢進し、それによって血糖が降下すると考えた。
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Research Products
(5 results)