2011 Fiscal Year Research-status Report
幹細胞特異的塩基性アミノ酸リン酸化の網羅的解析と治療への応用
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23659188
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 斉 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (80213875)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 塩基性アミノ酸 / リン酸化アミノ酸 / がん幹細胞 / 大腸癌 / リン酸化酵素 |
Research Abstract |
1) がん幹細胞におけるリン酸化塩基性アミノ酸レベルの検討:大腸癌培養株を用いてspheroid assayによりがん幹細胞の比率が高い細胞を選別し生化学的方法によりリン酸化塩基性アミノ酸を測定したところ、pARG, pHIS, pLysいずれのレベルもspheroidを形成しない細胞群よりも2.5~4.8倍に増大していた。2)がん幹細胞におけるリジン残基リン酸化抑制の影響:水酸化リジンはリジンアミノ基へのリン酸化等の修飾が不能な安定体である。これをリジン(-)培養液に混じて投与し、大腸癌細胞の継代を行ったところ、経時的にがん幹細胞に特異的とされるアルデヒド・デヒドロゲナーゼ活性のレベルは低下し、増殖速度も低下した。4週培養後にspheroid assayを行うとspheroid形成能は約1/4に低下した。このように、リジンリン酸化抑制はがん幹細胞の抑制をもたらしたと考えられる。3)ヒスチジンリン酸化酵素群の大腸癌における発現:すでにヒスチジンリン酸化活性を持つことが報告されている、nm23H2, LHPP, PDK1などの発現をヒト大腸癌病理標本を用い免疫染色にて検討した。このうち、nm23H2は腫瘍内の限定的なポピュレーションに発現していたが、CD133陽性細胞よりも数倍の数の細胞に陽性であった。LHPPはほとんどのがん細胞で過剰発現を示していた。いずれも、がんにおいて何らかの役割を担っているが、がん幹細胞特異性は低いと見なされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リン酸化リジン抗体の作成が技術的困難から遅滞を生じている。高塩基性条件によらずに安定化可能なリン酸化ポリリジンの生成に成功し、この抗原を用いてモノクロナル抗体を作成を試みたが、抗体タイターの上昇が認めれれなかった。今後、自己免疫疾患マウスを用いたモノクロナル抗体の作成を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)リン酸化リジン抗体作成を第一の目標とし、自己免疫疾患マウスやDNA抗原などの方法を用いた抗体作成に取り組む。2)リジンリン酸化抑制によるがん幹細胞の抑制メカニズムの検討は、今後の新規がん治療分子標的につながることが考えられるため、当初の研究計画のノックアウトマウス作成よりもこれを優先して検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の研究計画では、研究費は主としてノックアウトマウスの作成に用いる予定であったが、上記研究推進の方策に鑑みて、抗体作成およびリジンリン酸化阻害における遺伝子発現プロファイルの検討に研究費を用いる計画である。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] ES gut-like organ2011
Author(s)
Takaki M, Misawa H, Matsuyoshi H, Kuniyasu H
Organizer
20th Korean Society of Smooth Muscle Research(招待講演)
Place of Presentation
Seoul, Korea
Year and Date
2011.6.18
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