2012 Fiscal Year Annual Research Report
細菌感染症におけるIL-17/IL-22産生制御機構の解明
Project/Area Number |
23659200
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 一男 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00436643)
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Keywords | 免疫学 / 感染症 / サイトカイン / Th17細胞 |
Research Abstract |
Th17細胞は自己免疫疾患や感染防御に対して重要な役割を担っており、またIL-17/IL-22産生性自然免疫系細胞は初期の細菌感染防御に働くことが明らかになりつつある。近年Th17細胞研究の進展によりIL-17産生機構に関しては解析が進んだものの、IL-22産生制御機構に関しては不明な点が多い。そこで本研究ではサイトカインレポーターマウスを使用し、感染時におけるIL-17/IL-22産生細胞の制御機構および機能について研究を行った。 Il17-GFPマウスを用いて黄色ブドウ球菌S. aureus感染モデルを確立し、マウス皮膚組織中のIL-22およびIL-17産生細胞の特性と時空間的動態を調べた。フローサイトメーターおよび免疫組織学手法により、細菌感染に応じて発生するIL-17産生細胞の多くはCCR6陽性RORγt陽性のαβT及びγδT細胞であることが判った。各種IL-22産生細胞とIL-17産生細胞を分離精製し、遺伝子発現解析及びin vitroにおける機能解析を通じて、各細胞種におけるIL-17/IL-22産生制御に関わる分子機構の解析を行った。また、マウスIl22遺伝子プロモーターを用いたレポーターベクターを用いて、RORγt等の既知のTh17細胞特異的転写因子がIl22遺伝子転写活性に与える影響を検討した。in vitroにて分化培養したIL-22Low Th17細胞とIL-22High Th17細胞からRNA及びタンパク質を精製し、トランスクリプトーム解析・プロテオーム解析を実施し、さらにデータベース解析によりIl22遺伝子座で進化的に保存された転写因子結合配列を調べ、Il22遺伝子制御に関与する候補遺伝子を選定した。今後レポーターアッセイおよび遺伝子欠損マウスの解析を計画しており、IL-17/IL-22産生制御に関わる上記候補因子の生理的意義を実証することを目指す。
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