2011 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子操作による成熟赤血球侵入型三日熱マラリア原虫の創出
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23659215
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
金子 修 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (50325370)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 原虫 / マラリア / 培養 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
三日熱マラリア原虫は、ルーチンに行える培養系が確立されておらず、研究が著しく遅れている。その理由は、この原虫が幼若赤血球にのみ侵入するが、長期培養のための十分な幼若赤血球の確保が困難なためである。本研究では、全ステージの赤血球に侵入できる熱帯熱マラリア原虫の赤血球認識リガンドを三日熱マラリア原虫に人工染色体を用いた遺伝子導入法により導入し、全ステージの赤血球に侵入ができる三日熱マラリア原虫を創出することで、ルーチンに簡便に維持できる実用的レベルの三日熱マラリア原虫の培養系を確立することである。平成23年度は、まず、三日熱マラリア原虫の複数の染色体ゲノム・セントロメア領域(1.5 kb)をPCR 増幅し、緑色蛍光タンパク質発現人工染色体を作製した。三日熱マラリア原虫の幼若赤血球結合タンパク質のプロモーター領域1.0 kbによりルシフェラーゼを発現する組換え熱帯熱マラリア原虫を作製したが、ルシフェラーゼ活性が見られなかった。コントロールとして作製したネズミマラリア原虫の相同体のプロモーターからは発現が確認されたため、2.0 kbのプロモーター領域からルシフェラーゼを発現するプラスミドをデザインしなおした。熱帯熱マラリア原虫のリガンドPfRH4、PfRH5、EBA175の全長のクローニングを完了した。三日熱マラリア原虫への遺伝子導入条件を検討するためにタイに2カ月出張したが、稀に見る大洪水によりバンコクが浸水の危機に陥り、研究を中断をし帰国せざるをえなくなった。そのため、マラリアの流行時期を逃してしまい、十分な数を検討する事が出来なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マラリア原虫のセントロメアの大腸菌によるクローニングが困難で時間を要し、ネズミマラリア原虫での検討を行う時間がなくなった。平成24年度に予定する。
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Strategy for Future Research Activity |
三日熱マラリア原虫での遺伝子導入法の効率の検討をルシフェラーゼアッセイにより、タイにて引き続き行う。遺伝子導入に使う予定のプラスミドの構築を終了させるとともに、各コンポーネントが問題なく使用できることを他のマラリア原虫種により確定した後に、三日熱マラリア原虫の改変を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
タイへの出張に関する旅費、およびプラスミド構築と遺伝子導入のための消耗品のために使用することを予定していた。それに加えて、セントロメア領域の機能を評価するため、ネズミマラリア原虫だけではなく、オランダの霊長類研究所に出張し、三日熱マラリア原虫と近縁であるサルマラリア原虫を使用して評価する事を検討している。
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