2011 Fiscal Year Research-status Report
ターゲット・エッジ指向型スクリーニングに基づくサルモネラ病原性分子機構の解明
Project/Area Number |
23659218
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山本 友子 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (60110342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高屋 明子 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (80334217)
佐藤 慶治 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (00554586)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | エフェクター / ターゲット蛋白 / サルモネラ / インタラクトーム |
Research Abstract |
我々はこれまでにインフォマティクス支援インタラクトーム解析法を立ち上げ、昨年までにそのエフェクター指向型スクリーニング法を開発して新規エフェクター候補をリスト化した。本研究ではさらに感染宿主の機能変化から予測された宿主標的分子のプロファイリングに基づくターゲット・エッジ指向型スクリーニング法を構築して、新たな視点からエフェクターを探索し、エフェクターと標的分子の相互作用を軸としたサルモネラ病原性分子機構の解明に取りくむものである。エフェクター側からのアプローチとして、当研究室がこれまでに開発していたエフェクター予測ツールにより予測されていたエフェクター候補に対して分泌実験を実行した。結果として、STM1239およびSTM1670の分泌と宿主移行を確認した。 ターゲット側からのアプローチとして、サルモネラがターゲットとしている宿主側の新規パスウェイを同定すべく、トランスクリプトーム・プロテオーム情報の統合フレームワークを構築し、オミクスプロファイリングを実施した。感染時に発現変化のあった遺伝子群に対してGene Ontologyのエンリッチメント解析を実行したところ、炎症やアポトーシス関連といった既知パスウェイのみが抽出された。新規パスウェイを同定するためにはさらなるオミクス情報の追加とオミクス情報の統合方法についてさらに検討する必要があると考えられた。 次に3次元構造情報をベースとしたドッキング解析及び相互情報量(共進化)解析に基づくサルモネラ-宿主間インタラクトーム予測手法を開発した。本解析の結果から、病原因子と宿主因子の相互作用インターフェイスは高速に進化しているが、相互作用表面の構造上のフィッティングは維持する傾向にあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ターゲット側からのアプローチとして、サルモネラがターゲットとしている宿主側の新規パスウェイを同定すべく、トランスクリプトーム・プロテオーム情報の統合フレームワークを構築し、オミクスプロファイリングを実施した。感染時に発現変化のあった遺伝子群に対してGene Ontologyのエンリッチメント解析を実行したところ、炎症やアポトーシス関連といった既知パスウェイのみが抽出された。新規パスウェイを同定するためにはさらなるオミクス情報の追加とオミクス情報の統合方法についてさらに検討する必要があると考えられた。 次に3次元構造情報をベースとしたドッキング解析及び相互情報量(共進化)解析に基づくサルモネラ-宿主間インタラクトーム予測手法を開発した。本解析の結果から、病原因子と宿主因子の相互作用インターフェイスは高速に進化しているが、相互作用表面の構造上のフィッティングは維持する傾向にあった。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的にはこれまでの研究方針に基づきバイオインフォマティクスの手法で構築したサルモネラー宿主間インタラクトーム予測方法を改良し、精度の高い予測ツールに進化させる。リスト化されたエフェクター候補については、細菌学・分子細胞学・細胞生物学的なアプローチを組み込んで実証の段階に進む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の研究結果から、病原因子と宿主因子の相互作用インターフェイスは高速に進化しているが、相互作用表面の構造上のフィッティングは維持する傾向にあった。本手法で既知相互作用複合体の構造を復元することが可能であったため、今後本解析をターゲットタンパク質が未知であるエフェクターに適用していく予定である。さらにエフェクター候補のリスト化とウェット実験による検証を目指す。
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Research Products
(4 results)