2012 Fiscal Year Annual Research Report
宿主応答撹乱を誘導するヘリコバクターピロリ由来ncRNAの同定
Project/Area Number |
23659220
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三室 仁美 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (80396887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 史人 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30423122)
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Keywords | 細菌 / 感染症 / ヘリコバクターピロリ |
Research Abstract |
本研究では、ヘリコバクターピロリ菌 (Helicobacter pylori, H. pylori) が感染時に宿主応答を撹乱させる未知エフェクター分子を明らかにする目的で、H. pyloriがコードするnon-coding RNA (ncRNA) が、感染宿主細胞内で感染宿主応答を撹乱するncRNAとして作 用する可能性を検証することを目指す。2年間の研究期間の中で、以下の解析を企図した。(A) in silico検索によるH. pylori候補RNA配列を選定する。(B) 候補RNA配列の感染細胞内における宿主miRNA 様作用をin vitroで検証する。(C) 候補RNA配列の菌体外分泌機構を解明する。また期間的に可能であれば、(D) モデル動物感染実験を行い、in vivoでの作用を解析する。 今年度は、ヒトの感染症状に類似した胃炎、胃潰瘍、胃癌を呈するスナネズミ感染株、低病原性のマウス感染株、および、高病原性マウス感染株の、計3株のゲノム解析において、サンガー法による補足データ確認を終了した。 これにより、病原性の違いによるRNA 配列の違いを解明することができるだけでなく、各種遺伝子改変動物が作出されているマウスでのin vivo実験への発展的展開が容易となることが期待できる。また、RNA-seq解析用サンプルの調製が難航していたが、系を確立して解析を行うことができた。候補RNA選定作業を現在遂行中である。
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Research Products
(2 results)