2012 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療製品を安全に管理するユビキタスネットワークを用いた再生医療のIT化戦略
Project/Area Number |
23659251
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢作 直樹 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60158045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越塚 登 東京大学, 大学院情報学環, 教授 (40262266)
末永 英之 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (10396731)
松原 全宏 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (40361498)
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Keywords | 情報システム / 再生医療 |
Research Abstract |
再生医療は基礎研究の段階から本格的に応用される段階に入ってきており、今後の普及が期待されている。しかし、再生医療の本格実用化時期に先立って、想定される問題として細胞の取り違えなど再生医療製品の管理上の問題が残されている。細胞播種、培地交換、継代、回収などの作業の効率的な管理・適切な記録及び原材料の取り違え等のヒューマンエラー防止システムなどの自動管理システムが不可欠である。ユビキタスIDアーキテクチャは、ucodeに関連する情報であるucode間の関係やucodeの振られたモノに対する説明コンテンツ、そのコンテンツの格納されているサーバの位置などを管理する広域分散データベースをucodeタグの貼ってあるモノに代表される現実世界と、データベースやサーバに格納された情報に代表される仮想世界との橋渡しをする。ucodeタグを読み取り、タグに格納されたucodeをキーとしてそのucodeに関連する情報またはその情報が格納されたucode情報サーバの位置をネットワークから引き出し、その情報を表示する。本研究では、安心な再生医療の推進という観点から、細胞取り違い、操作間違い、培養工程管理・操作ログ管理などヒト細胞の追跡を実現するため、超小型ucodeタグを用いたユビキタスIDアーキテクチャにより、再生医療における細胞トレーサビリティシステムの開発を行なった。モノ・空間・概念を等価に識別させるため、細胞の情報を格納したucodeタグを内蔵した培養皿や試薬に、ucodeタグリーダをかざすことによってIDを読み取り、そのIDに応じた情報を検索して画面上に表示するユビキタス細胞情報登録・追跡用システムを作製した。作業者、各細胞、試薬にucodeを割り振り、細胞、試薬、作業者、作業場所に関する情報を登録し、各作業の記録を辿ることで、細胞培養工程に関する情報を追跡し、遡及することが可能であった。
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