2013 Fiscal Year Annual Research Report
医療安全文化醸成度の可視的指標の開発と検証に関する研究
Project/Area Number |
23659260
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
廣瀬 昌博 島根大学, 医学部, 教授 (30359806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今中 雄一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10256919)
兼児 敏浩 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (30362346)
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Keywords | リスクマネジメント / 医療安全文化 / 醸成度 / 可視的指標 / 医療従事者 / Lag time |
Research Abstract |
インシデントの報告日と発生日の差から算出されるLag timeについて、 平成23年度は4施設、計8,782件、24年度は7施設、計48,818件の提供を受けた。 1.平成23年度 :全データ8,782件のうち、医師と看護師からの報告件数はそれぞれ159件および7,546件、Lag timeは6.75±13.50日および3.90±43.76日で、看護師のほうが短いが有意差は認めなかった。しかし、4施設のうち、2施設では職種間で有意差を認めた。 一般事例と転倒事例について、件数は6,487件および2,288件で、Lag timeは、4.27±47.24日、および3.36±5.73日で転倒事例が短い傾向にあったが有意差は認めなかった(p=0.363)。しかし、4施設のうち2施設は有意差を認め、他の2施設についても年度によっては有意差を認めた。 2.平成24年度:全データ48,818件のうち,21~23年度の47,238件を対象とした。そのうち,医師と看護師からの報告件数はそれぞれ1,086件および41,989件、Lag timeは5.37±22.85日および5.17±18.35日で有意差を認めなかった(p=0.719)。しかし、検討した6病院のうち3病院について有意差を認め、有意差を認めなかった施設についてもLag timeは看護師の方が短い傾向にあった。 一般事例と転倒転落事例について、件数はそれぞれ39,442件および7,683件で、Lag timeは6.29±23.66日、および2.94±12.58日で転倒事例が短く有意差を認めた(p<0.001)。 以上から、Lag timeは一般に看護師の方が医師より短く、転倒・転落事例は他の事例に比べて短いことが確認された。また、Lag timeを有効に活用することで職員の医療安全文化醸成を涵養できる可能性が示唆された。
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