2011 Fiscal Year Research-status Report
これからのHIV/AIDS診療体制の在り方に関する研究
Project/Area Number |
23659263
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
白井 輝 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (40244488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 敦久 横浜市立大学, 大学病院, 准教授 (60295483)
石ヶ坪 良明 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40137039)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | HIV感染症 / 長期診療 / 専門的医療 / プライマリケア / 地域医療 / 意識調査 |
Research Abstract |
今日のHIV診療においての医療ニーズを、専門医療的要因とプライマリ・ケア的要因の両面から分析し、今後のHIV診療体制において求められるべき方向性を検討する。そのために本年度は長期フォローされているHIV患者の長期診療に伴う患者側要因の解析を行うための患者アンケート調査を行った。100名から回答が得られた。年齢は20代から70代まで幅広く、感染判明時の年齢も10代から60代までさまざまであった。HIV専門医療機関(拠点病院)における医療サービスは、疾患や治療に関する不安を大きく軽減させることができている一方、病気以外に遭遇する人間関係や社会生活上の不安の軽減には必ずしも至っていないことが判明した。一方、多くの患者はHIV以外の慢性疾患の治療を、近医一般医療機関ではなく、通院に時間をかけて当院を受診することを希望している実態が明らかとなり、その理由として、専門医療機関の高い専門性や急変時の対応への期待だけでなく、一部の一般医療機関で時折みられる診療・検査での差別的対応などもその理由に寄与していることがうかがわれた。今後、地域医療において幅広くHIV患者の診療が受け入れられていくためには、地域医療機関側の意識改革だけでなく、専門医療機関と地域医療機関が医療的な役割分担において密接に連携し合うためのシステム作りが不可欠であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、今日のHIV診療においての医療ニーズを、専門医療的要因とプライマリ・ケア的要因の両面から分析し、今後のHIV診療体制において求められるべき方向性を検討することである。そのために本年度は長期フォローされているHIV患者の長期診療に伴う患者側要因の解析を行うための患者アンケート調査を行った。アンケート調査の結果は今後医療側要因を解析していく上での基礎資料となるものである。このように初年度の計画はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
長期HIV診療における専門医療的要因とプライマリ・ケア的要因に関して患者側からみた調査内容を解析した結果(平成23年度の研究結果)を踏まえた上での医療側へのアンケート調査を行う。まず、神奈川県内の医療機関(拠点病院および一般病院)および高齢者療養施設を対象に、HIV患者の受け入れに関しての現状調査と意識調査を行う(平成24年度)。さらに全国レベルでHIV診療の実態調査へのアンケート調査も行う予定。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用計画 1)現状に関する調査:学会での情報収集 2)アンケート調査関連費用 印刷・郵送に関連した諸費用 謝礼(図書券)
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