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2011 Fiscal Year Research-status Report

医療の改善活動としての芸術導入―医療の質向上に関する評価―

Research Project

Project/Area Number 23659265
Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

山口 悦子 (中上 悦子)  大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (60369684)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中川 真  大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (40135637)
朴 勤植  大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90189738)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords医療の質 / 芸術 / 医療の改善活動
Research Abstract

本研究は、医療現場おける芸術の導入(Art(s) and healthcare)の、医療の質への影響や改善効果を検討し、その評価系の開発を目的としている。今年度は、まず、これまでの当院における芸術活動導入の経緯とノウハウをまとめ、論文として発表した(山口(中上)悦子他.『医療現場に芸術活動を導入する意義とその方略―医学部附属病院の「アートプロジェクト」に関する一考察―』アートミーツケア,vol.4 印刷中,2012)。さらに、医療の改善活動として行う医療現場への芸術導入に関する実践的なモデルを構築するため、次のプロジェクトを実施した。(1)デザイナーとの協働によるQCサークル活動の展開当院の1病棟で、試験的に実施。看護師が行うQCサークル活動の各プロセスのうち、問題点の洗い出し・テーマ選定・要因の特定と分析・改善策の立案を、デザイナーやデザインの研究者と共に行った。問題点の洗い出しのために、カルチュラルプローブ法といわれる問題探索方法を導入し、新しい改善活動の手法を検討した。なお、本プロジェクトは、障害者の芸術活動を支援する活動で草分け的な存在として有名な、財団法人たんぽぽの家との共同研究として行った。(2)職員向け教材制作のための映像ワークショップの開催ICTの職員研修作業部会(研究代表者がメンバー)のプロジェクト。「手指衛生の5つのタイミング」を指導するための教育用映像の制作。まず感染対策マネージャーを中心に職員から参加希望者を募り、他職種を交えた計10チームを構成した。基本シナリオはICTメンバーが作成し、監督・演出・演技・照明・撮影などの作業は参加職員に割り振り、1セッション2時間で一つの診療・ケア場面の撮影を行った。撮影された映像はICTメンバーが編集し映像作品を仕上げ、DVDに仕立てて各部署へ配布した。参加した職員が、そのDVDを用いて部署の伝達研修を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は、改善活動の新しい手法として、デザイナーとの協働によるQCサークル活動を試験的に導入した。また、院内感染防止のための職員向け教育コンテンツ開発も行った。これらの実践は、医療の質の指標のうちのprocessやoutcomeに影響すると予測しており、その影響度合いを評価する必要がある。評価項目は、業務効率の向上や被雇用者満足度の上昇、改善に対する意識の向上、手指消毒の順守率の向上、職員の感染制御に対する意識・知識の増加、長期的な耐性菌の部署内・部署間の伝搬抑制などである。これらの評価指標は、診療上のデータと共に参与観察等、社会科学のアプローチによる結果も加味して行う必要があり、現在も継続して観察中である。今回、申請した研究計画のうち、療養環境改善と患者満足度の向上を目指した、芸術家と職員の協働に基づいた芸術活動の展開に関しては、院内の組織体制に変更があったため今年度は実施することができず、次年度への繰り越しとした。

Strategy for Future Research Activity

今年度行ったプロジェクトの評価のための調査を継続的に行い、成果を発表する。次年度は、新規に患者教育・患者参加促進を目指したデジタルメディアコンテンツ開発プロジェクトと、芸術家と職員の協働に基づい芸術プロジェクトを計画中である。さらにWHO(ダンスパフォーマンスによる手指衛生の指導用映像作成)やNHS(英国アーツカウンシルとともにArts and healthcareのプロジェクトを全国的に展開)などの先進事例の視察も予定している。加えて、次年度は医療現場における芸術活動の評価系の開発と検討をより効果的に行えるよう、他施設の管理者・医療者や芸術系の研究者等と情報共有する場として、研究会(Art and health研究会(仮))を立ち上げる予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

24年度は、今年度のプロジェクトの評価のための諸費用(データ処理のためのアルバイト謝金など)、成果発表のための諸費用(論文、英文校閲など)を支出する。また患者教育・患者参加促進を目指したデジタルメディアコンテンツ開発プロジェクトと、芸術家と職員の協働に基づい芸術プロジェクトを計画しているので、これらのプロジェクト実施費および調査費の支出を予定している。そのほか、海外視察の旅費・調査費、学会参加・発表の諸費用、他施設・他研究者との「Art and health研究会(仮)」への参加費・会議費も予定している。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 医療現場に芸術活動を導入する意義とその方略―医学部附属病院の「アートプロジェクト」に関する一考察―2012

    • Author(s)
      山口(中上)悦子、丹後幾子、平井祐範、石井正光、荒川哲男
    • Journal Title

      アートミーツケア

      Volume: 4 Pages: 印刷中

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 医療現場の共同体における協働を志向する芸術活動―大阪市立大学医学部附属病院のCommunity-Collaborative Art( Coco-A)の変遷―2012

    • Author(s)
      山口(中上)悦子
    • Journal Title

      URP GCOE DOCUMENT

      Volume: 13 Pages: 38-53

  • [Presentation] 医療現場における「改善」を目指した創造的活動のデザイン(2)2011

    • Author(s)
      山口(中上)悦子、丹後幾子、石井正光
    • Organizer
      第58回日本グループ・ダイナミックス学会
    • Place of Presentation
      昭和女子大学(東京)
    • Year and Date
      2011年8月23日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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