2013 Fiscal Year Annual Research Report
医療の改善活動としての芸術導入―医療の質向上に関する評価―
Project/Area Number |
23659265
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山口 悦子 (中上 悦子) 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60369684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 真 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (40135637)
朴 勤植 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90189738)
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Keywords | 医療の質・安全 / 医療の改善活動 / 芸術活動 |
Research Abstract |
25年度は研究の最終年度として、昨年来実施していたプロジェクトの完了と成果物の公表および病院側の諸事情で実施が遅れていたプロジェクトの実施とデータ収集を行った。具体的には、医療の質・安全とアート活動というテーマに則って、昨年来、取り組んできた患者教育用映像の開発や医療の改善活動の指導プログラムの開発を行い、アンケート調査の実施やテキストデータの収集・整理を行った。成果は教育心理学会、アートミーツケア学会および医療の質安全学会にて発表した。現在、論文投稿準備中である。 また、医療安全管理部にある患者説明用・当事者聞き取り様の会議室を改善するプロジェクトを実施した。医療事故の被害者である患者や家族、あるいは医療事故当事者等と話をするスペースに対する配慮は、乏しい施設がほとんどである。医療現場のアート活動では、患者の療養生活部分の改修や患者が参加するプロジェクトについては報告が蓄積しているが、このような、いわば「悪いニュースを伝え、悪い結果についてコミュニケーションする」ための場所においてこそ、芸術の果たす役割は大きいと考えられる。そこで、本プロジェクトでは病院職員、プロジェクトに参加する芸術系大学の職員、学生等に対して望ましい環境に関するヒアリングやアンケート調査を行い、その結果を元にプロトタイプの環境改善を実施した。これらのデータは、現在、論文にまとめ投稿準備中である。 24年度に病院関係者や芸術系大学教員と共に立ち上げた「医療の質とアート研究会」の活動を継続し、次年度以降の研究へのつなげるための議論を続けている。
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