2011 Fiscal Year Research-status Report
医学部・看護学部学生の職業意識と専門性に関する探索的研究
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23659269
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
菰田 孝行 東京医科大学, 医学部, 助教 (80532704)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 職業意識 / 専門性 / 職業選択 |
Research Abstract |
本年度は質問紙調査実施のための資料収集と質問調査用紙試作版の作成と検討を実施した。1、資料の収集と分析-図書館やデータベースなどを使用し、論文や調査報告書等の資料を収集した。同時に報告資料や論文執筆の準備作業として、その内容をまとめる作業を実施した。2、質問紙調査用紙の試作-収集した資料を参考に、医学部学生調査と看護学部学生調査で使用する質問紙の試作版を作成した。医療職者の「専門性」に関する尺度では、「自律性志向」「連携志向」「利他主義」「権威志向」「発展志向」の5因子が候補として抽出された。 医療職者の「職業意識」に関する尺度では、職業価値観に関する先行研究を参考に、「やりがい」「自己成長」「人間関係」「安定性」「社会からの評価」の5因子が候補として抽出された。これらの因子を元に、実際の調査で使用する質問紙の試作版を作成した。3、試作した質問紙の評価-試作した質問紙を医学部学生と看護学部学生の両方に使用することから、その妥当性について、医学部教員と看護学部教員の両方からヒアリングし、その妥当性を検討した。本研究の最終的な目的では、医療職者に幅広く使用できる尺度の完成を目指している観点から、福祉系学部教員からのヒアリング調査も追加した。これらの教員からの意見を元に、試作した質問紙を修正し、実際の調査で使用する質問紙を完成させた。 同時に、調査実施のための倫理申請を実行し、その許可を得た。本年度に調査を実施することはできなかったが、来年度に調査を実施する準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では、本年度に医学部での質問紙調査を実施する予定であったが、質問紙の完成が遅れ、調査を実施する事が出来なかった。その大きな理由は、質問紙の内容の妥当性を検討するため、医学部、看護学部、福祉系学部の教員へのヒアリング調査を実施したためである。このヒアリング調査の実施により、尺度の妥当性は飛躍的に高まったと考えられる。 本研究の大きな目的の一つは、医療職者に幅広く適用可能な職業意識に関する尺度を作成することである。医療職者を養成する幅広い学部の複数の教員から助言を得たことは、尺度の信頼性と妥当性を担保する上で、大きな意義があったと考えられる。 計画通りの調査実施はできなかったため、遅れが生じてはいるが、研究目的達成のために必要な追加調査を実施したために生じた遅れであり、次年度以降に回復が可能な遅れの状態であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画では、初年度の平成23年度に医学部学生への調査を、次年度の平成24年度に看護学部学生への調査を実施予定であった。初年度の調査が実施できなかったため、遅れを取り戻すために、平成24年度に医学部学生調査と看護学部学生調査両方を実施する計画に変更する。 具体的には、年度前半に医学部学生調査を、年度後半に看護学部学生調査を実施する。平成23年度に質問紙がほぼ完成し、多くの医療系教員が関わった修正が完了しているため、平成24年度には質問紙の内容検討と項目修正を実施する必要はほぼないと考えられる。 さらに、医療系教員ヒアリング調査と並行して、研究協力校を募り、複数の大学から調査協力の申し出をいただいている。平成23年に質問紙調査実施の準備を整えたことから、平成24年度に2回の調査を実施することは十分に可能であると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の平成24年度内に2回の調査を実施することから、調査のための旅費と調査データの入力と解析のための研究補助者の謝金が増大することが予測される。 しかしながら、初年度である平成23年度の質問紙調査実施を断念したことから、旅費と謝金の予算が繰越されている。 平成24年度には、平成23年度の繰越金を使用するため、当初の研究予算から大きくかい離する予算にはならないと考えられる。 設備備品については、初年度に必要な物品の購入を済ませているため、平成24年度以降の購入予定は、今のところ発生していない。 平成25年度については、研究計画の変更は今のところ発生しておらず、当初予算通りの執行を予定している。
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