2012 Fiscal Year Research-status Report
医学部・看護学部学生の職業意識と専門性に関する探索的研究
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23659269
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
菰田 孝行 東京医科大学, 医学部, 助教 (80532704)
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Keywords | 職業意識 |
Research Abstract |
1.医療職志望者の職業意識や専門性に関する論文、各種調査結果などについて、国内外のデータベースやインターネットなどを通じて、関連資料や論文などを収集し、医療職者に特化した職業意識や専門性に関する知見を数多く蓄積した。 2.医学部調査と看護学部調査で使用する質問紙のパイロット調査として、まず、医学部3年生21名への予備調査を実施した。因子分析の結果から、医療職志望者の職業意識として、仮説通り、「やりがい」「自己成長」「人間関係」「安定性」「社会からの評価」の5因子構造であることが確認できた。さらに、専門性についても「自律的思考」「連携主義」「利他主義」「権威志向」「発展志向」の5因子が、こちらも仮設通りに確認できた。 3.次に、看護学部2年生22名を対象に予備調査を実施した。医学部調査と同様に、職業意識尺度5因子、専門性尺度5因子が抽出された。さらに、医学部調査と看護学部調査のデータを合算し、43名のデータとして因子分析を行ったところ、因子構造に違いはみられなかった。職業意識5因子、専門性5因子については、医療職志望者に特化した尺度の構成概念として強固な内容であり、信頼性を示す結果としても申し分のない構成であることが確認できた。 4.平成24年度はパイロット調査により尺度の構成を確認するに留まったが、平成25年度に実施予定の本調査への手続きをすべて整えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、平成24年度に、医学部調査と看護学部調査を実施する予定であった。しかしながら、調査を実施する予定であった大学から辞退の申出があり、代替の調査協力校の選定が遅れたため、十分な調査対象者を確保することができなかった。そこで、パイロット調査を実施することとし、小規模なサンプルを対象にした予備調査を実施するに留まった。 調査協力校を確保するため、全国の主要な大学に調査協力を依頼したところ、いくつかの大学より、新たな調査協力への同意を得ることができた。平成25年度には、これらの調査協力校での質問紙調査を実施する。この調査が、本調査となる。 また、パイロット調査により、因子構造の妥当性を検証することができたため、本調査に移行した際には、スムーズな調査実施と、結果分析の迅速化が期待できる情況にあると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度にパイロット調査を実施できたことにより、尺度の信頼性、因子の構成概念の妥当性が確認できている。調査協力校が既に確保できているため、今年度の本調査実施はスムーズに遂行できるものと目論んでいる。 また平成25年度には、実験による調査も実施する予定である。実験実施協力校のシミュレーションセンターを平成24年度に見学し、担当教員との打ち合わせも終了している。実験調査については、当初の計画通りの実施を見込んでいる。 計画書の通り、平成25年度で本研究を終了する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に質問紙調査と実験調査の両方を実施することから、調査のための旅費と調査データの入力と解析のための謝金が増大することが予測される。しかしながら、旅費と謝金の予算が繰り越されているため、大幅に予算を超過するような事態にはならない見込みである。 設備備品については、研究の遂行に必要な物品の購入はすでに終了しているため、金額の大きな物品を購入する予定はない見込みである。 最終年度のため、研究成果の発表を予定している。学会参加のための旅費が発生する見込である。
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