2012 Fiscal Year Annual Research Report
サーモグラフィを手法とした感染制御のための発熱判定ガイドラインの構築
Project/Area Number |
23659277
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
芝田 宏美 兵庫医療大学, 薬学部, 助手 (20509137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柴 賢洋 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70301827)
堀江 修 天理医療大学, 医療学部, 講師 (50304118)
夏秋 優 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (60208072)
辻 剛 医療法人社団神鋼会, 統合医学研究センター, 研究員 (00437493)
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Keywords | サーモグラフィ / 感染制御 / 発熱判定 / 皮膚温度 / 新型インフルエンザ / 検疫 |
Research Abstract |
本研究の目的は、検疫所で行われている新型感染症の水際対策に警鐘を鳴らし、パンデミックを食い止めるため、サーモグラフィを手法として発熱を検出するガイドラインを確立することである。最終年度は、発熱患者を追加してサーモグラフィ測定を行い、健常者データと日本サーモロジー学会の診断基準との比較と、検疫所で使われている薬事法未承認のサーモグラフィ装置の精度を検証した。顔面サーモグラフィは発熱患者群が健常群より有意に高温であった。しかし、サーモグラフィと体温の相関を検討したところ、鼻尖部と左頬部は相関がなく、前額部・右頬部・顎部では有意差があるが、水際対策の目的を果たせる相関係数は得られなかった。また、薬事法未承認のサーモグラフィ装置は、検量線がヒト用に作成されていないため、ヒトの診断に用いるにはバラツキが大きく適切ではないことが判明した。これらの結果から、検疫所で現在判定に用いている発熱のカットオフ値による検出法では、新型感染症のパンデミックを回避することは困難であることがわかった。そこで新たな検出法として、顔面サーモグラフィの画像パターンによる検出法を提唱した。サーモグラフィは本来画像診断法であり、体温計のような温度計測機器ではない。インフルエンザなどの感染症による発熱患者は、健常群や他の疾患群とは異なった特異的な画像パターンを示すことがわかった。この知見を判定に取り入れることで、診断の精度と感度が大きく向上することが考えられる。
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