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2011 Fiscal Year Research-status Report

動脈硬化進展におけるP2Y12受容体の関与

Research Project

Project/Area Number 23659281
Research InstitutionHamamatsu University School of Medicine

Principal Investigator

梅村 和夫  浜松医科大学, 医学部, 教授 (40232912)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords移植後動脈硬化 / P2Y12
Research Abstract

培養平滑筋細胞、骨髄由来平滑筋様細胞、骨髄由来単核白血球の遊走能が、ADP並びにその安定体である2MeSADPの刺激により、コントロール群と比較して有意に増大することが確認された。また、P2Y12受容体の欠損により、ADP並びに2MeSADP刺激による遊走能の亢進が有意に低下することも確認された。さらに、シグナル伝達解析を行ったところ、P2Y12受容体からPI3-Akt経路並びにERK経路を介して遊走能が亢進することが確認された。これら当該年度の結果から、血小板上に発現しているP2Y12受容体だけでなく、血管平滑筋細胞や骨髄由来平滑筋様細胞、骨髄由来単核白血球上に発現しているP2Y12受容体も、上記経路を介した遊走能の亢進により、移植後動脈硬化の進展に関与していると考えられる。これまでチクロピジンやクロピドグレルといったP2Y12受容体拮抗薬は抗血小板薬として臨床適応されているが、本研究結果より、免疫抑制薬としての適応拡大の可能性が考えられる。さらに作用機序が異なるシクロスポリンやタクロリムス等の免疫抑制薬との併用による相乗効果も期待でき、移植患者の予後の更なる改善につながる可能性が示唆される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

P2Y12受容体欠損(KO)および野生型(WT)マウスから培養平滑筋細胞、骨髄由来平滑筋様細胞、骨髄由来単核白血球を採取・培養し、ADP並びにその安定体である2MeSADPで刺激をした所、WT群と比較して、KO群で有意に遊走能が低下した。次に、MCP-1刺激による遊走能の変化を検討した所、両群ともに遊走能が有意に亢進した。また、各々単独では遊走能が有意に亢進しない低濃度の2MeSADPとMCP-1で共刺激をした所、WT群でのみ有意に遊走能が亢進した。さらに、2MeSADP刺激後6時間のMCP-1 mRNA発現量を測定した所、WT群と比較して、KO群で有意に発現量が低下した。最後に、各種阻害薬を用いた時の2MeSADPによる遊走能の変化並びに2MeSADP刺激後の各種シグナル解析を行ったところ、P2Y12受容体からPI3-Akt経路並びにERK経路を介して遊走能が亢進することが確認された。平滑筋様細胞の増殖能の解析は遂行できなかったものの、P2Y12受容体を介した遊走能とそのシグナル解析の検討を充分に行うことができたことから、順調に研究が進んでいるものと評価する。

Strategy for Future Research Activity

遊走能の解析に引き続き、P2Y12受容体を介した骨髄細胞から平滑筋様細胞への分化能の検討を行うために、まずP2Y12-KOとP2Y12-WT骨髄細胞の基礎分化能を比較検討する。さらに、各骨髄細胞をPDGF+bFGF刺激下でADPを追加刺激した時の分化能をP2Y12-KOとP2Y12-WTとで比較検討する予定である。前年度の遊走実験の結果より、もう一つのADP受容体であるP2Y1受容体の関与が考えられるため、分化能実験においてもP2Y1-WT及びP2Y1-KOの骨髄細胞を用いて同様に検討する予定である。その後、各種抑制薬を用いた時の分化能の変化や各シグナルを測定し、遊走能におけるシグナルとの違いを比較検討する予定である。また、昨年出来なかったADP刺激後の増殖能におけるP2Y12受容体の役割について、MTTアッセイ法やBrdU Flow Kit(BD Biosciences)を用いて検討する予定である。 すでにこれまでの研究において、骨髄細胞から平滑筋様細胞への分化方法やシグナル伝達解析は実施出来ているため、平成24年度も計画通りに研究を推進していくことが可能と考えられる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度に行う分化・増殖能実験並びにそのシグナル解析において、フローサイトメトリー、Western Blotting、免疫染色などで使用する抗体や、ELISAキット等の購入を行う予定である。これらの試薬は高額である為、昨年度計上分では不足であることから、今年度も計上通りに使用する予定である。また、引き続きP2Y1及びP2Y12KOマウスの繁殖並びにWTマウスの購入に、動物関連費を充てる予定である。平成23-24年度の研究結果を、国内の学会で発表する予定である。また、国際学会の発表や資料収集も予定しており、これらに旅費を充てる予定である。そして本研究結果がまとまり次第、論文投稿を行うため、そのための投稿費として計上額を使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ADP受容体を介した骨髄平滑筋細胞の遊走と遺伝子発現に対する影響2011

    • Author(s)
      松本祐直、原田恒介、梅村和夫.
    • Organizer
      日本薬理学会総会
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      2011

URL: 

Published: 2013-07-10  

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