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2011 Fiscal Year Research-status Report

トランスポゾンによる長期遺伝子発現型初代培養細胞の創製と細胞治療への応用

Research Project

Project/Area Number 23659284
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

橋田 充  京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20135594)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords遺伝子・細胞治療 / トランスポゾン / 長期発現
Research Abstract

糖尿病などの慢性疾患に対する新規治療法として治療タンパク質を標的部位において長期に発現させる遺伝子・細胞療法の開発が期待されている。本研究では、治療タンパク質を長期間発現する幹細胞を用いた新規遺伝子・細胞療法の確立を目指す。本年度は、まず、治療細胞としての体内での機能評価を目的に、細胞分布と分泌タンパク質の定量を同時に可能とするベクターの構築を行った。体内動態追跡を目的に、tdTomatoを、また、分子の血中への分泌の定量を目的に、分泌型ガウシアルシフェラーゼ(GLuc)を同時に発現するベクターを作成した。これらの目的遺伝子を長期発現させる方法として、トランスポゾンを用いた目的遺伝子のゲノムへの組込みを利用し、哺乳類動物由来細胞においても高効率な組込みが可能なpiggyBacトランスポゾンを選択した。まず、piggyBacトランスポゾンを用いた組込みにおける、ベクターの形状の影響の評価をおこなった。ドナーベクターとしてpiggyBacトランスポゾン内にホタルルシフェラーゼおよび抗生物質耐性遺伝子を発現する配列を含む、環状pDNAベクターおよび制限酵素を用いて線状化したベクターを構築した。HEK293細胞に対して各ベクターをトランスフェクションし、抗生物質を含む培地で2週間培養したところ、環状ベクターを用いた場合は、線状ベクターを用いた場合と比較してコロニー数が有意に多く、環状ベクターの方が高効率に組込めることが明らかとなった。次に、piggyBacトランスポゾン内にtdTomatoおよびGLucの発現配列を搭載した環状ドナーベクターを構築し、HEK293にトランスフェクションし抗生物質含有培地で培養した。得られた細胞を顕微鏡で確認したところ、tdTomatoの発現が確認できた。また培養上清中にGLucが分泌されていることも確認できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度の達成目標は、治療細胞としての体内での機能評価を目的とする、細胞分布と分泌タンパク質の定量を同時に可能とするベクターの構築と機能確認である。目的遺伝子の長期発現には、piggyBacトランスポゾンによる目的遺伝子のゲノムへの組込みを利用する。本年度は、体内動態追跡を目的に、tdTomatoを、また、分子の血中への分泌の定量を目的に、分泌型ガウシアルシフェラーゼ(GLuc)を同時に発現するベクターを搭載した、piggyBacトランスポゾンシステムを構築し、培養細胞において両タンパク質が発現していることを確認した。in vivoにおける発現の確認に関しては、長期発現を追跡する必要があり、現在確認をおこなっている。また、当初の研究計画に加え、piggyBacトランスポゾンによる、より高効率な遺伝子組込みを達成するために、piggyBacトランスポゾンに関してはこれまで報告がなかった、ドナーベクターの形状の違いが遺伝子組込みに与える影響の評価を行いった。結果、線状ベクターより環状ベクターの方が適していることが明らかとなった。以上をまとめると、多少の計画の変更があったが、概ね順調に遂行できたと考えている。

Strategy for Future Research Activity

本年度は、初年度に構築と機能確認が終了したベクターについて、まずはマウスを用いてin vivoにおける機能確認を行う。具体的には、ハイドロダイナミクス法を用いてベクターを尾静脈より投与し、血中のGluc活性および肝臓切片の蛍光顕微鏡観察によるtdTomatoの発現確認を行う。また、初代培養幹細胞に対してトランスポゾンを用いたゲノムへの目的遺伝子の組み込みにより、目的遺伝子を長期発現する初代培養幹細胞の構築を行う。トランスフェクション法の最適化ならびに抗生物質によるセレクションを行い、さらに、分化への影響の評価を行う。最後に、Glucに替わり、HGF、insulinなどの治療タンパク質を長期に発現させるためのベクター構築を行い、in vitroおよびin vivoにおける機能評価を行う。以上、新規細胞療法の確立を目指した治療タンパク質を長期間発現する幹細胞構築を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本年度の実験計画においては、治療タンパク質を長期発現させるためのベクターの構築、昨年度および本年度に作成するベクターを用いてマウスにおける機能の評価を行う。これらを遂行するためには、昨年度と同様にベクター構築に必要な試薬類、細胞培養用の消耗品ならびに試薬類、発現を評価するための発光基質などが必要となる。これらの消耗品、試薬類に加え、新たに必要なもので特記すべきものとしては、実験動物、実験動物の飼育に必要な消耗品類、治療タンパク質発現ベクター構築に必要な試薬類、治療タンパク質の発現評価に必要なELISAキットなどが挙げられる。また、構築したベクターの配列確認を外部受託する予定である。また、情報収集ならびに成果公開を目的に学会参加の旅費、論文投稿諸費用が必要となる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Comparison of piggyBac transposition efficiency between linear and circular donor vectors in mammalian cells2011

    • Author(s)
      Hideyuki Nakanishi, Yuriko Higuchi, Shigeru Kawakami, Fumiyoshi Yamashita, Mitsuru Hashida
    • Journal Title

      J Biotechnol

      Volume: 154(4) Pages: 205-208

    • DOI

      10.1016/j.jbiotec.2011.05.009

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Development of piggyBac transposon-based vector system for long-term gene expression2011

    • Author(s)
      Hideyuki Nakanishi, Yuriko Higuchi, Shigeru Kawakami, Fumiyoshi Yamashita, Mitsuru Hashida
    • Organizer
      The 6th Seoul-Kyoto-Osaka Joint Symposium on Pharmaceutical Sciences for Young Scientists
    • Place of Presentation
      Seoul (Korea)
    • Year and Date
      2011 – 63

URL: 

Published: 2013-07-10  

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