2011 Fiscal Year Research-status Report
新規抗GPIb抗体(HU-12)の活性化血小板マーカーとしての有用性に関する研究
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23659290
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
高見 秀樹 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (10226920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 佳子 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (10322934)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 臨床 |
Research Abstract |
1.本研究に必要な血小板膜GPIbに対するマウスモノクローナル抗体(HU-12)を精製した。凍結保存されたHU-12産生細胞をマウス腹腔内で増殖させ腹水より本研究遂行に必要であると推定される約5500mgの抗体をアフィニティーカラムを用いて精製することができた。精製したHU-12抗体は今後の研究のため凍結乾燥保存した。また一部の抗体は酵素処理によりFab部分を作成精製した。2.各種血小板刺激物質(ADP,コラーゲン、アラキドン酸、リストセチン、トロンビン)による刺激後の血小板へのHU-12結合能をフローサイトメトリーにより測定した。またずり応力を変化させ低ずり応力下と高ずり応力下の刺激後の血小板へのHU-12の結合を同様にフローサイトメトリー法にて測定した。その結果、高ずり応力刺激後の血小板へのHU-12の結合が他のADP、コラーゲン、リストセチンなどの刺激後血小板への結合に比べ有意に高いことを明らかにした。3.ずり応力を変化させHU-12の結合能を検討した結果では、低ずり応力刺激に比し高ずり応力刺激によりHU-12の結合が明らかに高いことを認めた。すなわち、HU-12の血小板への結合はずり応力依存性であることを明らかにした。このことからHU-12は既存の抗GPIbと異なる特異的なモノクローナル抗体であることを証明した。次年度以降の研究に必要なモノクローナル抗体(HU-12)は凍結乾燥して保存している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究遂行に必要である十分量の抗体を精製することに成功した。また本抗体(HU-12)が本研究の目的である血小板活性化マーカーをしての特徴を有することが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
アテローム性動脈硬化症を基盤とする動脈血栓症の機序としてずり応力による血小板凝集の関与が注目されており、これらの血栓症では高ずり応力刺激後の活性化血小板が循環血液中に認められると推定される。しかし、これまでの研究はPAC-1などの既存の血小板活性化マーカーを用いたものであり、その臨床的有用性には問題点が多い。そこで新規の血小板活性化マーカーであるHU-12の臨床的有用性を証明する。動脈硬化性血栓症の代表的疾患である心筋梗塞と脳梗塞症例を対象に発症直後から経時的に採血し、フローサイトメトリー法によりHU-12の血小板への結合を検討し、HU-12結合血小板測定の臨床的意義を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定したより効率的に抗体を精製することができたため次年度への繰越が生じた。次年度では当初の計画より対象症例を2~3倍に増やして研究費を使用する計画である。
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Research Products
(1 results)