2012 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子NF-κBハイスループット検査システム構築による救急医療への応用
Project/Area Number |
23659294
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
北島 勲 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (50214797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁井見 英樹 富山大学, 富山大学附属病院, 助教 (50401865)
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Keywords | 転写因子 / ハイスループット検査 / NF-kB活性化 / 蛍光相関分光法(FCS) / 病院検査室 / 炎症反応 |
Research Abstract |
1)1分子蛍光相関法(FCS)によるNF-κB活性化定量測定法確立:FCSによる定量化の検討を行った。2成分モデル解析により溶液中におけるDNAプローブとNF-κBの結合率を求め、これを媒介として定量化を試みた。蛍光非標識のWT competitorおよびNScompetitorを同濃度含む2種類の溶液を用意し、核抽出物サンプルにWT competitorを過剰量加えた溶液では、蛍光標識DNAプローブはNF-κBとはほとんど結合せずフリーの状態で存在しているので、この溶液を用いることで結合率を算出することが可能となり、これをもとに定量を行うことができるassayを確立した。 2)FSC法を利用したNF-κB結合活性定量法の臨床応用 本法を利用した本態性高血圧症における末梢血リンパ球中のNF-κB活性化の臨床的意義を検討した。腎機能正常(CCr≧60mL/min)の未治療本態性高血圧患者45名に対して、NF-κB活性と臨床的パラメーターとの関連を検討した。 リンパ球核抽出物中のNF-κB量(NF-κB活性)は0.18±0.16 ng/μg nuclear proteinであった。 メタボリック症候群(MetS)有無によるNF-κB活性量はそれぞれ、026.±0.19、0.12±0.12 ng/μg nuclear proteinを示した。NF-κB活性に対し、日中収縮期血圧、拡張期血圧、総コレステロール、中性脂肪、乳酸との間に有意な正相関(p<0.05)を認めた。重回帰分析では、腹腔内脂肪面積がNF-κB活性の有意に独立した規定要因であった(p<0.05)。また年齢・性別で調整した多重ロジスティック回帰分析では、Metsを伴う高血圧患者でNF-κB活性は有意に高値を示した(p<0.05)。
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Research Products
(6 results)