2011 Fiscal Year Research-status Report
全ゲノムシーケンスを軸とした循環腫瘍細胞、原発巣・転移巣の特性解明と検査への応用
Project/Area Number |
23659295
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
前川 真人 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20190291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 良久 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00362187)
瀬藤 光利 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20302664)
中村 利夫 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (40283353)
椙村 春彦 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00196742)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 循環腫瘍細胞 / オミックス解析 / リピドミクス |
Research Abstract |
癌の転移におけるゲノム、エピゲノムの変化を捉え、表現型としてのプロテオーム、メタボロームの解析と合わせ、癌診療に役立つ遺伝子マーカーを探索することを最終目標とする。そのために、癌患者の血液中を循環しているがん細胞(circulating tumor cells、以下、CTC)を対象として検討を行った。まず、CTCを磁気細胞分離法システムであるMACS(ミルテニーバイオテク)、フローサイトメトリー FACS Aria(ベクトンディッキンソン)を用いて適切に分離する条件を検討した。その結果、血液中にごくわずかに存在するがん細胞を、磁気抗体分離法およびフローサイトメトリーを利用して捕捉し、スライドガラス上に回収するとともに、抗サイトケラチン抗体による免疫細胞染色によりがん細胞であることを同定する実験方法を確立した。また、レーザー光を利用した質量顕微鏡法を用いてスライドガラス上に回収したがん細胞の脂質組成を網羅的に解析する実験条件を検討し、脂質(主にリン脂質)を検出することが可能となった。今後、本検討により確立したCTC分離技術と一細胞レベルのリピドミクス解析手法を利用して、正常組織、原発巣、転移巣およびCTCにおける脂質組成を網羅的に解析して比較することにより、転移に関連したCTCの生物学特性が明らかになることが期待される。併せて、癌患者の血液から調製した個々のCTCの次世代シーケンサーを用いた全ゲノムシーケンスも可能な状況が準備できてきた段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大腸癌患者のCTC収集を磁気抗体分離法およびフローサイトメトリーを利用して捕捉し、スライドガラス上に回収するとともに、抗サイトケラチン抗体による免疫細胞染色によりがん細胞であることを同定する実験方法を確立したため、そのオミックス解析を進める段階に入っているが、癌患者血中のCTCは微量であり、特に早期の大腸癌患者ではほとんどCTCをつかまえるのは困難であった。しかしながら、次のステップにつなげるためには純度を上げて確実にCTCを収集する方法の確立が必要と考え、それを目指したため時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸癌患者のCTCを既に確立した方法で調整し、原発巣・転移巣からは腫瘍の中心部と浸潤先端部の細胞をマイクロダイセクションにより回収する。転移巣はリンパ節と肝臓を対象とする。 この対象試料を用いて、次世代シーケンサーを使用した全ゲノムシーケンス法(HiSeq2000; イルミナ社)によりDNAの一次構造を決定し、比較検討する。また、ビサルファイト処理したDNAを用いて、DNAメチル化領域を網羅的に解析するためのマイクロアレイ(Infinium HumanMethylation 450 BeadArray; イルミナ社)による解析からHiSeq2000(イルミナ社)によるシーケンス、またはDNAメチル化領域をMethylminor (Invitrogen)を用いてエンリッチした後にその領域をシーケンスする。これにより、循環腫瘍細胞、原発巣、転移巣とでメチル化の違いを示した遺伝子を絞り込む。 遺伝子発現の解析には東レの3D-Geneマイクロアレイを使用する。違いが認められた遺伝子発現量は、リアルタイムPCRで個々人の測定を行い比較検討する。 プロテオーム解析はマススペクトロメータ(島津社、ライフテクノロジー社)を使用して行う。 ゲノミクス、エピゲノミクス、トランスクリプトミクス、プロテオミクスの結果を統合して解析を行うとともに、オミックス解析結果と臨床病理学的性状との関連性について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ウェットな実験が主な研究であるため、腫瘍細胞を原発巣、転移巣から回収するためのマイクロダイセクション、次世代シーケンサー、マイクロアレイなどを用いた網羅的な解析実験、その確認のためのPCRを用いた遺伝子配列の解析や発現量の定量、臨床病理学的特徴との関連性を調べるための臨床検査に使用する消耗品費が主な用途になる。また、統計学的検討のために解析ソフトウェアの購入なども必要となる可能性がある。成果発表、および資料収集のための学会出張に要する経費も予定する。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Plasma CCN2 (connective tissue growth factor ; CTGF) is a potential biomarker in idiopathic pulmonary fibrosis (IPF)2011
Author(s)
Kono M, Nakamura Y, Suda T, Kato M, Kaida Y, Hashimoto D,Inui N, Hamada E, Miyazaki O,Kurashita S, Fukamachi I, Endo K, Ng P, Takehara K, Nakamura H,Maekawa M, Chida K
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Journal Title
Clinica Chimica Acta
Volume: 412
Pages: 2211-2215
DOI
Peer Reviewed
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