2011 Fiscal Year Annual Research Report
in vitro翻訳後修飾導入による新規自己抗体同定法の確立
Project/Area Number |
23659311
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 智啓 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80233807)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
|
Keywords | 翻訳後修飾 / 自己抗原 / シトルリン化 / 質量分析 |
Research Abstract |
自己抗体は検査医学研究の主要対象のひとつであるが、多くの自己抗体検査は抗原の翻訳後修飾という点は考慮していない。最近、シトルリン化ペプチドに対する自己抗体が関節リウマチに特異性が高いなど、抗原の翻訳後修飾の重要性が明らかになりつつある。本研究では、蛋白質の翻訳後修飾を認識する自己抗体の汎用的同定法を確立する。その際、従来法と異なり、in vitroで様々な翻訳後修飾を導入し、それを用いて自己抗体をスクリーニングすることで、効率良く目的を達成する。本年度の結果は以下の通りである。すなわちJurkat細胞からの抽出蛋白質をアルギニンデイミナーゼを用いてシトルリン化した。シトルリン化した抽出蛋白質と無処理の抽出蛋白質をそれぞれ2次元電気泳動で展開し、関節リウマチ患者血清によるウエスタンブロッティングで、シトルリン化パネルでのみ陽性となる蛋白質スポットをスクリーニングしたところ、シトルリン化依存性自己抗原候補スポットを複数個検出し、そのうち5種の自己抗原をMALDI-TOF-TOF-MS質量分析により同定した。さらに、組み換えタンパク質を作成し、シトルリン化ののちELISA法によりシトルリン化依存性を確認した。そのうちのひとつはアデノシンデナミナーゼで、抗炎症作用のあるアデノシンを減少させる酵素であった。診断マーカー候補になると共に、病態論的にも興味深いもので、現在論文として公表準備中である。また、アセチル化についても同様の解析法の確立することの検討を開始した。
|