2014 Fiscal Year Annual Research Report
脆弱な抗原性を示す細胞表面新奇自己抗原の解析と新たな自己抗体検査法の開発
Project/Area Number |
23659312
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
三浦 惠二 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 講師 (20199946)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 自己免疫疾患 / 細胞表面抗原 / 自己抗体 / ELISA / 腎炎 / 臨床検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、正常ヒト臍帯静脈血管内皮細胞由来の膜画分を用いたCSP-ELISAで患者血清中の抗血管内皮細胞抗体(AECA)を測定すると、全身性エリテマトーデス(SLE)において、IgG-AECA、IgA-AECAがそれぞれ95%、30%陽性になり、IgA-AECA高値患者において腎炎の活動性を示す病理組織像が多く観察されることがわかった。IgA-AECAについてはほとんど報告がなく、病態との関連をさらに詳細に検討した。ループス腎炎が認められるSLE患者51名、および認められないSLE患者25名について、IgA-AECA抗体価と活動性病変の有無を調べたところ、感度、特異度がそれぞれ0.92, 0.72となる検査法と判断できた。IgA-AECAと管内性細胞増多との関連は、IgA-AECAがループス腎炎における血管内皮細胞の障害と関係することが想定され、ループス腎炎の有用な血清マーカーになり得ることが示唆された。 また、強皮症患者86名についてCSP-ELISA法でAECA値を測定した。強皮症は皮膚症状を示すことから、正常ヒト皮膚微小血管内皮細胞由来の膜画分を用いた。その結果、IgG-AECA、IgA-AECAがそれぞれ58%、64%陽性になった。臨床症状との関連については、IgG-AECA陽性患者では、肺線維症の頻度が高く、肺活量(%VC)、拡散能(%DLco)は低値を示した。また、IgA-AECA抗体価は、皮膚硬化の程度を示すmTSS、心不全のマーカーである血清NT-proBNP値と正の相関が、また%DLcoと負の相関が見られた。CSP-ELISAによるAECAの測定は、強皮症の重症度を示す有用な血清マーカーとなり得ることが示唆された。 免疫沈降法により自己抗原の検出を行い、SDS-PAGEで患者特異的なバンドが得られ質量分析を行ったが、新奇自己抗原の同定には至らなかった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Presentation] The Level of IgA Antibodies to Endothelial Cells Correlate with Histological Evidence of Disease Activities in Patients with Lupus Nephritis2014
Author(s)
Ayako Kondo, Kazuo Takahashi, Tomohiro Mizuno, Daisuke Hirano, Shinichi Akiyama, Hiroki Hayashi, Shigehisa Koide, Hiroshi Takahashi, Midori Hasegawa, Yoshiyuki Hiki, Shunji Yoshida, Keiji Miura, Yukio Yuzawa
Organizer
American Society of Nephrology, Annual Meeting
Place of Presentation
Phiradelphia, USA
Year and Date
2014-11-11 – 2014-11-16
-
-