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2011 Fiscal Year Research-status Report

鎮痒薬の薬効評価に有用なバイオマーカーの探索

Research Project

Project/Area Number 23659316
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

倉石 泰  富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 教授 (80111970)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords痒み / 鎮痒薬 / バイオマーカー / 血清中因子
Research Abstract

臨床における鎮痒薬の薬効の評価は主に視覚的アナログ尺度による自覚的評価が行われるが,心理的要因の影響を大きく受け,患者間での比較はできない。また,動物においては掻き動作が痒みの指標とされるが,同じ強さの痒み刺激を加えても掻き動作の回数は個体間で10倍以上の開きがある。そこで,本研究では,様々な痒みの動物モデルの血清を用いて鎮痒薬の薬効評価に有用なバイオマーカーを探索することを目的とした。本年度は,アレルギーが原因となるアトピー性皮膚炎および非アレルギー性の乾燥性皮膚掻痒症のマウスモデルを用いてストレスマーカーであるコルチゾール及び副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の血清レベルを測定した。アトピー性皮膚炎のマウスモデルに抗アレルギー薬アゼラスチンを1日1回1週間投与すると,自発的掻き動作が抑制し,低下していた血清中ACTHレベルを健常対照マウスのレベルまで回復させた。乾燥性皮膚掻痒症のマウスモデルでも自発的掻き動作の増加と血清中ACTHレベルの低下が認められた。同モデルへの免疫抑制剤タクロリムスの1日2回5日間の塗布が,自発的掻き動作を抑制し,低下していた血清ACTHレベルを健常対照マウスのレベルまで回復させた。両マウスモデルにおいて,血清中コルチゾールのレベルには変化がなかった。痒みを誘発させる機序が異なると考えられる2つの痒みのマウスモデルで血清中ACTHレベルが低下し,痒みを抑制する薬物処置により健常レベルまで回復した結果は,血清中ACTHがストレスとは異なった原因で変動したことを示唆する。今後,別の痒みのマウスモデルでも血清中ACTHの変動を測定する予定である。また,採取した血清を用いて,含有するタンパク質の変化を2次元電気泳動等で評価する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

原因と性質が異なる痒み(アトピー性皮膚炎と乾皮症)の動物モデルを用いて,自発的掻き動作の増加した状態での血清中のACTHレベルの低下と薬物処置により自発的掻き動作の抑制された状態でのACTHレベルの健常値への回復が認められた。このように異なる性質の痒みモデルで共通した血清成分の変化が見られたことは,本研究で採取した血清を有効に利用することで,ACTHを含め鎮痒薬の薬効評価に有用な血清中のバイオマーカーを見出す可能性が期待される。現在その解析を進めていることから,順調に研究が進んでいると評価した。

Strategy for Future Research Activity

今年度調べたアトピー性皮膚炎と乾皮症の痒みに加え,接触皮膚炎の痒みおよび現在開発中の内臓疾患による痒みなど他の痒みのマウスモデルも加え,自発的掻き動作と関連して変動する血清中因子について解析する。ACTHとコルチゾールに関しては継続して解析を進めるが,これらに加え他のタンパク性因子についても解析を行い,鎮痒薬の薬効評価に有用なバイオマーカー候補を探索する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

主に,痒みの動物モデル作製にかかわる実験動物並びにその関連試薬,血清中ACTHおよびコルチゾールの測定の外部検査会社への委託検査,血清中変化タンパクの発現解析に関わる経費などに使用

URL: 

Published: 2013-07-10  

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