2012 Fiscal Year Annual Research Report
侵害刺激感受性感覚神経の新分類とTRPV1、TRPA1の機能連関
Project/Area Number |
23659323
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Research Institution | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設) |
Principal Investigator |
富永 真琴 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (90260041)
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Keywords | 疼痛学 |
Research Abstract |
① 第一級アルコールが炭素鎖長依存的にTRPA1を活性化して痛みを惹起することを、Ca2+イメージング法、パッチクランプ法、マウス(野生型マウスとTRPA1欠損マウス)の行動解析法明らかにし、C8OHが最も活性化能が強いことがわかった。この作用はTRPA1に特異的であった。この第一級アルコールの作用に関わるアミノ酸を点変異体解析で同定した。また、亜鉛がTRPA1活性化に関わることを見いだした。 ② ワサビに含まれる2つのisothiocyanate成分6-(methylsulfinyl)hexyl isothiocyanate (6-MSITC) と6-(methylthio)hexyl isothiocyanate (6-MTITC)がTRPA1を活性化することを、Ca2+イメージング法、パッチクランプ法を用いて明らかにした。加えてその疼痛惹起作用を野生型マウスとTRPA1欠損マウスの行動解析から個体レベルで明らかにした。 ③自然に存在する鎮痛薬を探索する目的で、TRPM8を活性化してTRPA1に作用しない物質をフレグランスオイルでスクリーニングし、eucalyptus oilを見いだした。eucalyptus oil に含まれる1,8-cineoleがそうした性質をもつ物質であることが明らかになった。また、1,8-cineoleはTRPA1を阻害することが分かり、鎮痛薬として理想的であることが判明した。さらに、この1,8-cineoleの鎮痛作用をヒトの皮膚での実験で証明した。
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