2012 Fiscal Year Annual Research Report
炎症関連発がんにおけるmicroRNAの役割とバイオマーカーとしての有用性の検討
Project/Area Number |
23659327
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
村田 真理子 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10171141)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
翠川 薫 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), リサーチアソシエイト (20393366)
|
Keywords | 上咽頭癌 / Epstein-Barrウィルス / 発がん機構 / microRNA / バイオマーカー / ターゲット遺伝子 / In silico 解析 / microRNA機能解析 |
Research Abstract |
感染・炎症発がんのひとつのモデルとしてEpstein-Barr (EB)ウィルス感染上咽頭癌について、microRNAの上咽頭癌発症への関与とスクリーニングのためのバイオマーカーとしての有用性について検討した。上咽頭癌と正常上咽頭の生検組織を用い microRNA マイクロアレイ解析を行い、有意に発現差のあった microRNA が検出された。定量的リアルタイムPCRにより、有意に差がある microRNA を確認した。発現上昇の見られた microRNA のうち、EBV encoded miR-BARTs (ebv-miR-BARTs) は上咽頭癌組織において非常に強く発現していた(日本環境変異原学会2012年11月、静岡において発表)。血液試料を用いてバイオマーカー候補として microRNA について発現量を検討しており、一部の microRNA は組織レベルと血中レベルに正の相関を示し、上咽頭癌治療の新しいターゲットあるいはバイオマーカーへの応用が期待できる(日本衛生学会 2013年 3月、金沢において発表)。さらに、 microRNA の機能解析のため、In silico解析によりターゲット遺伝子を探索し、mRNAマイクロアレイ解析結果と統合解析することによりターゲット遺伝子を絞り込んでいる。現在、 microRNA のmimicあるいはinhibitorを上咽頭癌培養細胞にトランスフェクションし、細胞増殖や浸潤能への影響とターゲット遺伝子発現レベルの変動を検討している。
|