2011 Fiscal Year Research-status Report
ノックアウトマウスを用いた頭蓋内血管狭窄病変におけるミステリンの役割の解明
Project/Area Number |
23659329
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小泉 昭夫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50124574)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | もやもや病 / 動物モデル / mysterin / Akita mouse / 血管病変 |
Research Abstract |
もやもや病は東アジアの小児および成人で多く、小児期の脳卒中、高次機能障害を引き起こす。病変は、ウィリス輪を中心とした内径動脈終末部における平滑筋細胞増殖による狭窄病変と、その還流障害を補うため形成された代償性血管の増殖からなる。現在作成中であるMysterin null mouseを用いて、(1)Null mouseの形質の同定、(2)糖尿病病態下での血管新生への影響、(3)Mysterin と他分子のcross-talkの3点について検討する。(1) 研究の学術的背景:頭蓋内血管の狭窄病変は、その病態は不明であるが、もやもや病は、頭蓋内血管狭窄病変一般を代表する特徴的病理所見を有していると言える。ゆえに、もやもや病のメカニズムの解明によって、頭蓋内血管の狭窄病変メカニズムの解明に有用な情報を提供する。 本年度は 既にMysterin欠損ヘテロ個体が得られており、ヘテロ個体オスおよびメスの交配により以下の2つの項目の検討を行った。 (1)血管病変の検索:頭蓋内病変の内頚動脈系の狭窄は認められなかった。 (2)担い手細胞の確定:既に脾臓におけるマクロファージが強く、Mysterin を発現することが判明している。胎生期から成獣および胎盤まで骨髄系細胞を中心に検索を行う予定であるが、本年度の検索はFlow cytomeryを用いた免疫系細胞の検討により脾臓T細胞のCD8陽性細胞増加、CD4陽性細胞減少を認めた。また脾臓マクロファージも増加傾向であった。 (3)Akita mouse との交配の開始:糖尿病下での血管新生への影響を検討するために交配を開始した。糖尿病による耐糖能の評価、腎症の進展度の評価、血管病変への影響を見るためにコホートを設定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
既にMysterin欠損ヘテロ個体が得られており、ヘテロ個体オスおよびメスの交配により以下の2つの項目の検討を行った。 (1)血管病変の検索:胎生期から成獣に至るまでの種々の時期において、頭蓋内・網膜・胎盤の3つの臓器において病変を検索を行った。 頭蓋内病変の内頚動脈系の狭窄は認められなかった。 (2)担い手細胞の確定:既に脾臓におけるマクロファージが強く、Mysterin を発現することが判明している。胎生期から成獣および胎盤まで骨髄系細胞を中心に検索を行う。検索は血管・肺・腎臓・胎盤について行った。Flow cytomeryを用いた免疫系細胞の検討により脾臓T細胞のCD8陽性細胞増加、CD4陽性細胞減少を認めた。また脾臓マクロファージも増加傾向であった。 (3)Akita mouse との交配の開始:糖尿病下での血管新生への影響を検討するために交配を開始した。糖尿病による耐糖能の評価、腎症の進展度の評価、血管病変への影響を見るためにコホートを設定した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、血管病変については、血管病変を促進させるAkita mouseとの交配群の観察を行う。また免疫系の変化については、引き続きマクロファージ系に注目し検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Akita mouseでの糖尿病の進展の抑制傾向が認められたため、Mysterin との相互作用を検討する。今回にヒトにおいても同様なメカニズムが作用すると思われるので、Exome解析(2検体分) を行いMsterin 以外の遺伝子の関与の可能性はないと思われるがその可能性を否定する。
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Research Products
(11 results)