2012 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピンにおけるヒトエンテロウイルスCの疫学解析とリスク評価
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23659343
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
押谷 仁 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80419994)
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Keywords | エンテロウイルス / ポリオウイルス / ポリオ根絶計画 / ワクチン株由来ポリオウイルス / フィリピン |
Research Abstract |
ヒトエンテロウイルス(HEV)はその遺伝子配列の特徴からA~Dの4つの種(Species)に分けられている。このうちヒトエンテロウイルスC(HEV-C)は、熱帯地域に限局して見られている。世界でワクチンにより、ポリオウイルスの根絶を目指しており、多くの国でポリオウイルスをコントロールすることに成功している。ポリオ根絶計画の進展とともに新たな問題として注目されているのが、ワクチン株に由来するcVDPV(Circulating Vaccine Derived Poliotvirus)の問題である。ポリオウイルス同様に麻痺を起すcVDPVの多くが、ポリオワクチン株とHEV-Cとが遺伝子の組み換え(Recombination)を起こしたウイルスであることがわかっている。しかし、HEV-Cの熱帯地域における実態はよくわかっていない。 そこで我々はまずフィリピンで過去17年間にわたりポリオサーベイランスのために集められた麻痺患者の便検体からウイルスのタイピングを行った。これまでの方法では同定不能のなっていたウイルスについては遺伝子の解析により型を同定した。この結果、790例中108例がHEV-Cに分類されることがわかった。また、この解析を通して検出されたCoxackie A20が、2001年にフィリピンで検出されたcVDPVの遺伝子の一部を構成していることが明らかになった。このウイルスを詳細に解析したところ非常に複雑なRecombinationの結果出現したウイルスであることが明らかになった。さらにマニラおよびマニラ近郊の農村部の河川水からエンテロウイルスの検出を試みた。エンテロウイルスであることが確定した47クローンのうち26クローンがHEV-Cであることが確認できた。これはHEV-Cがフィリピンにおいては広く伝播していることを示唆するものであった。
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Research Products
(4 results)