2012 Fiscal Year Annual Research Report
ライフコースアプローチによる健康格差の世代間伝達に関する実証的研究
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23659356
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
大木 秀一 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (00303404)
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Keywords | ライフコース疫学 / 遺伝要因 / 生態学的モデル / 長期縦断研究 / 世代間伝達 / 世代間連鎖 / 親子相関 / 健康格差 |
Research Abstract |
成人期以降に発症する疾患のライフコース発症モデルを構築するために、広範な文献データベース、書籍情報を基に網羅的な情報収集を行い、所定の書式に従って内容を整理した。前年度の研究により、生活習慣病に関する長期縦断研究が少ないこと、また世代間伝達の概念がいまだ未整理であることが判明した。類似の概念に、親子相関、世代間連鎖、文化伝達、選択結婚効果などが認められた。収集したリスク因子情報を、対象者の年齢、リスク因子を測定した年齢、観察期間、ライフイベント、臨界期、感受期、転換点、推移などの基本概念を基にライフコースに従って再配置した。さらに、リスク因子、予防因子、修飾因子、介在因子などの連鎖・蓄積の相互の関係を図示した。リスク因子の世代間伝達は家系データを利用し、形式遺伝学的分析、家族歴分析などの知見を用いて分類した。以上の結果を総合して、リスク因子の影響まで含めて生活習慣病の世代間伝達・ライフコース疾患発症モデルの構築を行った。その意義は、従来は生物学、遺伝学、社会学、心理学、疫学など別々の領域で個別に検討されてきた成人期疾患発症リスク因子の、1.世代間伝達、2.ライフコースにおける蓄積と連鎖、3.修飾因子と介在因子、4.臨界期と感受期、などをFamily-basedライフコース疫学という枠組みで検証することにある。そのため生活習慣病のリスク因子を生態学的モデルで、親世代からの流れに沿って、ミクロ(遺伝子、個人、家族)・マクロ(地域、社会)の両面からの整理を試みた。さらに、既存データを用いて、BMIの世代間伝達を推定した。本研究の重要性は、親世代の健康資産は、遺伝要因だけでなく環境要因も含めて次世代における生活習慣病の発生に影響することを立証し、生活習慣病の予防に向けた公衆衛生学的な提言に結びつけることである。
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Research Products
(4 results)