2012 Fiscal Year Annual Research Report
地理疫学を応用した健康の地域格差と社会経済的要因の研究
Project/Area Number |
23659365
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Research Institution | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター |
Principal Investigator |
片山 佳代子 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (70584374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 直幸 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (90116319)
助友 裕子 独立行政法人国立がん研究センター, その他部局等, その他 (50459020)
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Keywords | 健康格差 / 地理疫学 / 社会経済的要因 / 乳がん罹患 / 集積性 / メッシュ統計 / GIS |
Research Abstract |
本研究の目的は、今後とも増加が予想されるがん罹患・死亡について地域格差を明らかにすることとその要因について社会経済的要因との関連検討することである。本研究では死亡状況のみならず地域がん登録データを活用し、死亡と罹患状況から神奈川県の乳がんについてメッシュ単位での地域格差、罹患の分布状況、死亡と罹患の集積地域の比較検討など空間疫学的手法、GISを応用した地理情報を採用し新たな形でアプローチすることができた。 意義:乳がん標準化死亡比(SMR)は、47都道府県中最下位は東京都の118.7、4位が神奈川県114.3であった(2006)。東京都など都会地域において乳がん死亡が多いということはこの地域の乳がんに関する医療が貧困なのかあるいは早期発見が不十分なのか、都会地域にエンデミックに発症しているのか、死亡データのみの評価では不十分である。最終年度では、SMRおよびSIRを詳細に検討した。SMRやSIRは人口の少ない地域では不安定な値になり、人口の異なる地域間比較には適していないことが指摘されている。そこで神奈川県全体でSMRが高いのかを小単位の地域で検討した。またこれまで死亡評価のみでがん対策を立案してきた我が国にとって、死亡と罹患状況が異なることを明らかにすることは大きな意義がある。本研究ではがん罹患集積性の検討を空間スキャン統計手法を用い、合わせて同定された集積地域と社会経済的要因との関連を検討した。 重要性:生存率の高い部位である乳がんは、死亡評価によるがん対策では不十分であり罹患状況、集積地域の検討は非常に重要である。本研究でSMRとSIRの地理分布は異なっており、SMRに関しては統計的に有意な集積は認められなかったが、SIRでは有意はクラスターを形成していることが明らかとなった。この集積地域の社会経済的要因を検討したところ、女性特有のライフスタイルとの関連が示唆された。
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Research Products
(21 results)