2012 Fiscal Year Annual Research Report
心筋梗塞や消化器がんに係る危険因子及び診断マーカーとしてDNaseIを活用する
Project/Area Number |
23659367
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
安田 年博 福井大学, 医学部, 教授 (80175645)
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Keywords | DNase I / DNase II / DNase 1L2 / 不安定狭心症 / 診断マーカー / 自己免疫疾患 / SNP / 遺伝的危険因子 |
Research Abstract |
1.不安定狭心症や非ST上昇型心筋梗塞(UAP/NSTEMI)は発症当初に心筋マーカーの上昇等を伴わない場合があり、それらの初期診断に有効な診断マーカーが望まれる。胸痛発作症候群患者群に比較して、発症3時間以内に来院したUAP/NSTEMI患者群において血清DNase I活性の有意な上昇が認められた。発症6時間以内に来院し、従来の心筋マーカーの上昇が見られないUAP/NSTEMI患者群における血清DNase Iの診断感度および特性はそれぞれ89%、88%であった。従って、血清DNase Iは心筋マーカーの上昇を伴わないUAP/NSTEMIの初期診断に有用なマーカーとなり得ることが示された。2.DNase II遺伝子の慢性関節リュウマチ(RA)関連SNP5座位に関して、遺伝子型―酵素・プロモーター活性相関を精査した。RA関連SNPについて、遺伝子型と血清DNase II活性レベルとの相関が認められ、それぞれのRA関連alleleは酵素活性を低下させた。さらに、プロモーター領域に座位するSNP3座位のRA関連alleleはプロモーター活性を低下させた。従って、DNase II遺伝子のプロモーター領域に座位するこれらSNPは転写活性を低下させ、もってDNase II産生量の低下によってin vivo活性の減弱がもたらされたことが明らかとなった。3.尋常性乾癬などでみられる不全角化への関与が示唆されているDNase I-like 2 (DNase 1L2)遺伝子における全ての非同義置換型SNP17座位について、多集団におけるSNP分布および遺伝子型―活性相関を精査した。p.Ala20Aspなど5座位SNPのminor alleleは活性低下またはnull型酵素を産生した。従って、これらSNPのminor alleleは不全角化のrisk alleleであることが明らかとなった。
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