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2012 Fiscal Year Annual Research Report

死のメディエーターHMGB1を指標とするアセトアミノフェン中毒の新規法医診断法

Research Project

Project/Area Number 23659370
Research InstitutionWakayama Medical University

Principal Investigator

石田 裕子  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10364077)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 近藤 稔和  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70251923)
Keywordsアセトアミノフェン / HMGB1
Research Abstract

本研究は,HMGB1の動態を指標とするアセトアミノフェン中毒の分子法医診断法確立の可能性を検討するものである.
<アセトアミノフェン中毒モデルの作製>8週齢の雄C57BL/6マウスに,アセトアミノフェン400 mg/kgを腹腔内投与して肝障害を惹起させた.アセトアミノフェン投与後経時的にマウスを屠殺し,血液並びに肝臓を採取して試料とした.<血清肝逸脱酵素の検討>採取した血液の一部を血清分離して血清肝逸脱酵素(ALT及びAST)の測定を行ったところ,アセトアミノフェン投与後10及び24時間でコントロールと比べて有意に高値を示した.<病理組織学的検討>採取した肝組織を用いてパラフィン包埋切片を作製し,各切片についてHE染色を行い形態学的変化を観察したところ,アセトアミノフェン投与後24時間の肝組織において著明な出血及び小葉中心性の肝細胞壊死などの変化を認めた.<HMGB1の局在の検討>肝組織切片を用いてHMGB1に対する抗体を反応させて免疫染色を行い経時的局在の変化を検討したところ,正常肝では肝細胞核に,アセトアミノフェン投与後肝では肝細胞質に陽性所見を認めた.<HMGB1の遺伝子発現の検討>経時的に採取した肝組織よりtotal RNAを抽出してreal time RT-PCR法を用いて種々の分子の遺伝子発現を検討したところ,HMGB1及びHMGB1の受容体として働くRage, TLR2, TLR4発現が,それぞれコントロールと比べてアセトアミノフェン投与後24時間において有意に亢進していた.
以上の結果より,アセトアミノフェン投与により肝臓においてHMGB1が細胞外に放出され,Rage, TLR2, TLR4発現亢進を伴った炎症を引き起こすことが示された.また,HMGB1の動態が法医実務においてアセトアミノフェン中毒の有用な指標となり得る可能性が示唆された.

URL: 

Published: 2014-07-24  

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