2011 Fiscal Year Research-status Report
サルコペニアモデル動物の開発と成因解明:慢性閉塞性肺疾患モデルマウスを用いた検討
Project/Area Number |
23659379
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
樂木 宏実 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20252679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 充 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50335345)
杉本 研 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20437403)
立花 功 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60324761)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | サルコペニア / CD9/CD81 DKOマウス / 炎症性サイトカイン |
Research Abstract |
研究分担者の立花先生の教室から、高週齢のC57BL/6Jマウス(B6)とCD9/CD81ダブルノックアウトマウス(DKO)を供与頂き、その表現型の違いを検討した。その結果、下肢体重当たりの骨格筋量は、DKOで特に遅筋優位であるヒラメ筋においてB6より低値であった。遺伝子発現解析の結果、筋タンパク分解に関連する分子(MuRF1、Atrogin1)の発現に差はみられなかったが、ミトコンドリア機能に関連する分子(COX4、MnSODなど)の発現は、DKOでB6より低かった。一方、炎症性サイトカインのうち、TNFαやIL-6の発現はDKOでB6より有意に高かったが、筋由来抗炎症サイトカインであるIL-15の発現はDKOでB6より低かった。DKOは慢性閉塞性肺疾患(COPD)を呈する全身性慢性炎症モデルとして確立されているが、その炎症は骨格筋にも及んでおり、それを基盤とした遅筋成分を主とした筋量の低下、ミトコンドリア機能異常を呈していると考えられた。研究計画にも示したとおり、DKOは不妊であるため交配により適当数の動物を準備するのに時間を要しており、DKOが必要数準備できるのは平成24年度夏頃の予定である。現段階はあくまで予備研究の段階であるが、炎症による骨格筋量、代謝能低下のメカニズムを明らかにするため、IL=6とIL-15といったいわゆる筋由来サイトカイン(Myokine)に注目し、研究計画で明記したプロトコールに沿って実験を遂行していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述のとおり、CD9/CD81ダブルノックアウトマウス(DKO)が不妊であるため、ホモのノックアウトが産まれる確立は16分の1であり、必要数のDKOを用意するのに時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
DKOを必要数準備できれば、プロトコール通りに推進可能である。まず、平成23年度に予定していた、B6とDKOの表現型の検討(運動能、骨格筋と骨格筋以外の臓器を含めた組織学的検討)を平成24年度秋までに終了し、その後平成24年度に計画している研究内容を進めていく。小生が所属するグループ員数が異動等により減少しているが、来年度(4月以降)に増員される予定であり、これまでより研究のスピードアップが図れることが今後期待される。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物飼育費(施設使用費、ケージ交換費、飼料代など)、動物用CT使用費、分子生物学的解析に使用する試薬類、測定キットなどの購入費に使用する予定である。前述のとおり、前述のようにDKOマウスを得るのに時間と手間を要するため、動物飼育費のウエイトが高い。
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Research Products
(2 results)