2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659383
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
乾 明夫 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80168418)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅川 明弘 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (10452947)
|
Keywords | 麹 / 糖代謝 / 睡眠 |
Research Abstract |
サツマイモ焼酎関連素材の機能性を科学的に解明する事が、本研究の目的であった。焼酎関連素材の活性成分の抽出や動物実験による機能性の証明と、すでに市販されているもろみ酢成分を用いた臨床研究も並行して行った。 もろみ酢成分の機能性に関する研究では、肥満・メタボリックシンドロームの患者を対象に、動物実験で中性脂肪の低下作用が認められるもろみ酢成分を、2カ月経口投与する臨床試験を、クロスオーバーデザインで実施した。血中脂質、耐糖能、血圧や、食欲、疲労、健康感等、質問紙法を用いて解析を行った。従来までの知見では、血中の脂質代謝異常改善作用が示唆されていたが、残念ながら、軽微の作用を有するにとどまった。このことは、その薬理作用の解明には、厳密な臨床研究が不可欠であることを確認するものとなった。 焼酎成分の機能性に関する研究では、健常者を対象に、焼酎成分に機能性、特にほろ酔い、悪酔いや糖代謝、精神機能に及ぼす影響を検討した。被験者は入院の上、脳波を装着し、夕食と共に焼酎を飲用し、アルコール前後の脳波、睡眠脳波を解析し、質問紙法による精神機能の評価や、アルコール、血中代謝産物の測定を行った。ビール、日本酒との比較試験も行った。この研究では、睡眠脳波に対するアルコールの効果は、アルコールの種類にかかわらず同一であること、すなわち睡眠を阻害する方向に作用することが明らかになった。しかし、糖代謝に対する影響は大きく異なり、焼酎が最も影響が少ないことが明らかとなった(投稿準備中)。 機能性食品への応用のため、焼酎関連素材である焼酎粕や麹等から機能性分子を同定し、これを地域関連産業と共に機能性食品を生成する目的で、麹を中心とした動物実験を行った。マウスを用いた解析により、赤、白、黄の3種類の麹の食行動や代謝に及ぼす影響は、違いが認められることを確認した(投稿中)。
|