2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659384
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 秀一郎 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90532929)
|
Keywords | 幹細胞 / 老年医学 / パーキンソン病 / 6-OHDA / 骨髄間葉系幹細胞 / チロシンヒドロキシラーゼ |
Research Abstract |
6-OHDA線条体導入片側パーキンソン病モデルラットを作製し2週間後、正常ヒト骨髄間葉系幹細胞(hBM-MSC)を静脈内に投与してその効果を検討中であったが,今回は更にモデルラットを増やし検討をおこなった。行動学的評価としてメタンフェタミンの腹腔内投与による異常旋回運動を細胞投与群と非投与群で比較したところ、投与1週間後よりメタンフェタミン誘導旋回運動の改善を認めた。細胞投与4週目のラットにおいて灌流固定、脳凍結切片を作製し、中脳黒質に対してチロシンヒドロキシラーゼ(TH)染色を行い,ステレオロジーの手法を用いた免疫組織学的半定量解析を施行したところ有意に細胞投与群のTH陽性細胞数が多かった。線条体においてもTH免疫組織学的半定量解析を行ったところ細胞投与群では有意にTH光学濃度が高かった。また,6-OHDAの線条体投与部位においてIba1を用いたミクログリア免疫組織解析では細胞非投与群ではミクログリアは細胞体の肥大化,突起の退縮を認め、活性型を示した。一方で非移植群では突起を枝状に伸長させた、細胞体の小さい静止型を観察し、hBM-MSCは6-OHDAが誘導したグリア活性に対し抑制効果を示したと考えられた。このhMSCの行動薬理学的,免疫組織学的改善効果,グリア活性抑制効果の機序につき考察を深め,論文投稿準備中である。 また、神経変性疾患(特にアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症を対象とする)患者及び正常対象者の末梢血から間葉系幹細胞(hPB-MSC)を得、これら3疾患を含んだ神経変性疾患以外の患者群のhPB-MSCと比較を行うため、臨床研究審査委員会、倫理委員会から承認を得た。正常対象者のPMSC分離、培養中を行うために分離方法、培養液の組成などを検討重ねたが質的量的に安定したPMSCが得らなかった。
|