2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659387
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
稀代 雅彦 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40317409)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | アテロコラーゲン / コラーゲン血管閉鎖栓 / コラーゲンステント / カテーテル治療 / 動物実験 / 自己組織化 / New deviceの開発 / 代替医療 |
Research Abstract |
◆乳幼児・小児の有害異常血管へのコイル塞栓術において、金属コイル血管内留置の生体へ及ぼす影響・予後を懸念しアテロコラーゲンコイル開発の研究を計画したが、H23年度計画実施に際し二つの問題に直面した。◆(株)高研に依頼したコラーゲンコイルは(1)30%濃度コラーゲン溶液をノズルより空気中に押し出し紡糸、(2)得られたコラーゲン糸を金属芯に巻き付けコイル形状固定し作製予定だったが、現在30%濃度溶液は製造を中止、更に高圧紡糸機器が使用不能でありコラーゲンコイルは作製不可能との結論に至った。◆この解決策として、既存の円柱状アテロコラーゲン製品(MIGHTY)を加工して使用する計画に修正した。MIGHTYは直径3mm,縦5mmの円柱状の密なアテロコラーゲンスポンジで、50%の圧縮が可能、圧縮解除により復元する能力を持つ。またこの円柱形態を利用してもう一つの計画を追加立案した。血管閉鎖栓と反義である血管拡張用デバイス、即ちアテロコラーゲン製ステントの開発である。狭窄血管拡張用ステントは現在薬剤溶出性金属ステントが主流であるが、再狭窄が最大の問題点である。MIGHTYの中心部をくり抜く加工により円筒状コラーゲンが作製でき、これをバルーンカテーテルに装着し、狭窄部でバルーン拡張し留置する計画である。天然素材によるステントがより金属異物反応を低減できる可能性を秘めており、再狭窄予防効果が期待される。現在この2種類のデバイスを作製中である。◆実験動物は仔豚30頭を計画したが、単価・飼育料が高額のため実験頭数を大幅に減らす必要性に迫られた。◆この解決策として、より安価で実験頭数を確保できるウサギへ変更することに修正した。ウサギは生涯体重3~5kg位であり人間の新生児~乳児相当であることから本研究には合目的的である。H24度よりコラーゲン閉鎖栓およびステントを用いた動物実験に着手する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(理由)H23年度中にコラーゲンコイルを作製・改良し、動物実験も開始する予定であったが、研究実績の概要に前述したとうり以下の二つの問題に直面した。1.計画していたコラーゲンコイルは工場において作製不可能との結論に至った。2.実験動物は仔豚30頭を計画したが、単価・飼育料が高額のため実験頭数を大幅に減らす必要性に迫られた。以上の理由から、研究の達成度は当初の予定よりやや遅れる結果となった。これに対して前述した解決策によりそれぞれ計画を修正し、現在アテロコラーゲン血管閉鎖栓およびアテロコラーゲンステントの2種類のデバイスを作製・改良中である。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに計画修正した円柱状アテロコラーゲンスポンジ(MIGHTY)を加工して作製する血管閉鎖栓、および並行して計画追加立案した血管拡張用デバイスであるアテロコラーゲンステントの作製・開発を進めていく。デバイス完成次第、仔豚に替わり計画修正後に購入したウサギに対する動物実験を開始する。動物実験開始後は、予定期間経過後に血液検査を施行後解剖し、摘出したデバイス留置血管の組織学的検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H23年度に購入した動物実験用ウサギは10匹だったが、H24年度も当初の計画どうり更に10匹のウサギを購入する予定である。またアテロコラーゲン閉鎖栓およびステントの土台となる既製のアテロコラーゲンスポンジ(MIGHTY)も随時追加購入する予定である。これらの購入に加え、動物実験開始後は各種血液検査、摘出血管組織の各種染色に研究費を使用する。
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