2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659387
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
稀代 雅彦 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40317409)
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Keywords | アテロコラーゲン / コラーゲン血管閉鎖栓 / 液状血管塞栓物質 / カテーテル治療 / 動物実験 / 自己組織化 / New deviceの開発 / 代替医療 |
Research Abstract |
【アテロコラーゲンを素材とする生体吸収性液状血管閉鎖栓の開発】 ◆乳幼児・小児の有害異常血管へのコイル塞栓術において、金属コイル血管内留置の影響・予後を懸念しアテロコラーゲンコイル開発を計画したが、H23年度計画実施に際し、作成予定の30%濃度コラーゲン溶液が製造中止、溶液を紡糸する高圧紡糸機器が稼動中止である事からコラーゲンコイルは作成不可能との結論に至った。◆この解決策としてH24年度は既存のアテロコラーゲン製品(MIGHTY)を加工して使用する計画に修正、さらにアテロコラーゲン製ステントの開発を追加立案した。しかし円柱状コラーゲンスポンジのMIGHTYに加工を施すと極端に強度が落ち、MIGHTY自体が圧縮には強いが牽引には弱く、カテーテル内や血管内での操作性・安全性に問題があり適さないとの結論に至った。◆そこで新案としてアテロコラーゲン溶液を素材とする生体吸収性液状血管閉鎖栓の開発を立案した。コラーゲン溶液は冷所では液状だが、37℃(≒体温)でゲル化する性質を有し、既に眼科領域ではドライアイに対する涙点閉鎖栓として実用化されている。◆現在、実験モデルとしてウォーターバス内に血管に見立てた栄養チューブを置き、37.5℃加温下でコラーゲン溶液の注入実験を行っている。コラーゲン溶液は㈱高研のアテロコラーゲンインプラントで1%、2%、3%がある。3%溶液は粘稠度が高く注入中にマイクロカテーテル内でゲル化したが、2%以下の溶液ではチューブ内に充填できた。造影剤と混合し1~2%濃度に調整すれば異常血管内への充填が可能だと考えられる。デリバリーシステムとして先孔式バルーンカテーテルとマイクロカテーテルを使用する。前者は液状のコラーゲン溶液が標的以外に拡散しないよう後方からの血流遮断の目的で、後者はコラーゲン溶液を注入する目的でのみ使用する。◆実験動物は引き続きウサギを使用する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コラーゲンコイル作成が不可能となり、H24年度に修正立案したアテロコラーゲンスポンジ製品の加工による閉鎖栓開発および追加立案したコラーゲンステント開発計画は、素材の特性から実験遂行が難航、適さないと判断し、コラーゲン製液状血管閉鎖栓開発という新たな実験案に修正し研究実験を開始したため。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに立案したアテロコラーゲンを素材とする生体吸収性液状血管閉鎖栓の作成・開発を進めていく。現在行っているin vitroでの実験により、デバイスおよびデリバリーシステムが完成次第、ウサギを用いたin vivoでの動物実験を開始する。動物実験開始後は、予定期間経過後に血液検査および血管造影検査を施行後解剖し、摘出したデバイス留置血管の組織学的検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度に購入した動物実験用ウサギは10羽だったが、H25年度も当初の計画通りさらに10羽のウサギを購入する予定である。またアテロコラーゲン液状閉鎖栓の土台となる既製のアテロコラーゲンインプラントやデリバリーシステムを構成するバルーンカテーテル、マイクロカテーテルも随時追加購入予定である。これらの購入に加え、動物実験開始後は各種血液検査、血管造影検査、摘出血管組織の各種染色に研究費を使用する。
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