2011 Fiscal Year Research-status Report
グループホーム入居者の認知機能、ADL、脳皮質下病変に関する前向き観察研究
Project/Area Number |
23659388
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
盛 英三 東海大学, 医学部, 教授 (90146598)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 糖尿病 / 医療・福祉 / 循環器・高血圧 / 放射線・X線・粒子線 |
Research Abstract |
高齢者を対象とした前向き研究(LAIDS study、BMJ2009)は、大脳皮質下病変が認知障害、抑うつ、転倒、誤嚥など老年病症候群と呼ばれる精神・身体疾患に関連することを示した。しかし、本邦ではこのような前向き観察研究は極めて乏しい。本研究ではグループホーム入居者を対象として老年病症候群関連症状の推移とMRIの経時的観察を中心とした3年間の前向き研究を実施する。これまで研究代表者は、グループホームで生活能力の拡大を志向する介護法に関する後ろ向き研究を実施し、通常の介護法に比較し要介護度の進行を抑制し、転倒骨折率、病院への入院率や他施設への移行率を低下させる傾向にあることを明らかにした。本研究において、介護法が在宅介護に比べて均質となるグループホームの入居者を対象として臨床観察研究を実施し、高齢者の認知機能および日常生活活動度に、脳皮質下病変や心臓機能が与える影響を、前向き観察研究を実施して検証する。平成23年度はグループホームに入居している方々のうち30名を対象とした2年間の前向き研究の初年度として、介護状況の記録、認知機能・運動機能評価、頭部MRI検査・X線検査、心機能検査、採血検査等を実施した。これらは、脳血流に影響を与える心臓の機能と脳微小循環障害の結果生じるとされる脳皮質下病変が、グループホームの入居者の認知機能および日常生活活動度とどのように関係しているかに関する評価の基礎となる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画における(1)介護状況の定量的評価(2)認知機能、運動機能評価(3)頭部MRI検査、または脳外科医あるいは神経内科医による神経学的評価(4)心機能検査(5)採血検査:末梢血、肝機能、腎機能、心筋バイオマーカー、脂質、多価不飽和脂肪酸、等はグループホーム入居者の体調等により実施の可否が大きく影響するが、現在までのところ概ね順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の研究は概ね順調に進展したものの、複数のグループホーム入居者の状態が完全に同一ではないため、検査の内容に若干の差異が発生した。そのため研究費を51,736円繰り越すこととなった。当該研究費は、平成24年度に同様の検査を行うための費用とする。平成24年度は、平成23年度に開始した研究計画を継続する。7-8月に検討項目のうち、頭部MRI検査を除く項目の検討を実施する(介護状況の定量的評価、脳外科医あるいは神経内科医による神経学的評価、認知機能、運動機能評価、心機能検査、採血検査)。平成25年度は、平成23年度に開始した研究計画を6月末日で終了する。終了直前に介護状況の定量的評価、頭部MRI検査、または脳外科医あるいは神経内科医による神経学的評価、認知機能、運動機能評価、心機能検査、採血検査を実施する。さらに7月以降の期間に、得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費は主として各種検査に使用する機器の消耗品、および研究成果取りまとめのために使用する。旅費・謝金等は情報収集のために使用する予定である。平成23年度から繰り越した研究費は平成24年度に同様の検査を行うための費用とする。
|
Research Products
(7 results)