2012 Fiscal Year Annual Research Report
常温作動パルス励起型MIセンサによる細胞内・細胞間伝導解析と薬効評価の新技術開発
Project/Area Number |
23659397
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中山 晋介 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30192230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 剛 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00203555)
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Keywords | 磁気センサー / 非侵襲 / 上部消化管 / ペースメーカ電流 / 再生医療応用 |
Research Abstract |
物理法則としてもよく知られるように、電流に伴い磁界が発生する。これは生体でも同様であり、心臓など興奮性細胞組織の電気的活動によって磁気活動が誘起される。24年度は、常温作動パルス励起型MI (PMI)センサーを超高感度化するために、いろいろな工夫を試みた。本研究ではアモルファス素材とそれを取り巻くピックアップコイルで構成されるMIセンサー素子2つ (MI1, MI2)をペアとして用い、グラジオセンサー仕様とした。即ち、標本に近接するMI1によって細胞組織が発生する磁界活動を計測し、約500 mm離れた位置にあるMI2を環境磁界計測用とする。その差分を取ることにより、環境磁界変動の影響を低減して生体磁界の計測を行った。また、MIセンサー素子へ通電するCMOSインバータのパルスの繰り返し間隔は 1-2 μs程度とし、その電圧の振幅および期間は、それぞれ5V及び10-100 ns程度と変動させ、検出感度の向上を図った。また、同じCMOSインバータをピックアップコイル電圧のサンプルホールド回路トリガーとして使用した。 研究成果報告書に記載したように、実験動物(モルモット)から摘出した筋層標本を保温し、細胞外液で環流しながら自発性の活動磁界を検出した。モルモット胃平滑筋は規則正しい活動電位を発生することが知られている。この標本を使用して、電位活動と磁界活動の同時計測を行ったところ、両者が極めて同期して発生することを記録することができた。この結果は、計測される活動磁界が、自発性の興奮現象の根底にある細胞膜電流に起因することを示している。記録された磁界の振幅は800 pT程度だったので、そのときの組織を貫く方向性の電流量は4μA程度と推定された。
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Research Products
(5 results)