2012 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患に対する献体の未固定標本を活用した骨髄間葉系幹細胞治療の前臨床試験
Project/Area Number |
23659401
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山下 健太郎 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90381269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有村 佳昭 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80305218)
藤宮 峯子 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10199359)
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Keywords | 骨髄間葉系幹細胞(MSC) / 早期献体(fresh cadaver) |
Research Abstract |
本研究の目的は,炎症性腸疾患における傷害腸管粘膜の修復・再生・発癌における骨髄間葉系幹細胞(MSC)の役割の解明と新規治療法開発への応用すること,GLP基準に則った前臨床試験を行うことの2点である.前者では,MSCが腸組織に生着する機序を解明する.後者では,未固定の「早期献体」(fresh cadaver)標本を有効活用し,proof-of-concept試験を行う.MSCはGMP基準に則り培養調整し,網羅的メチル化解析による品質管理基準や治療反応性を予測するバイオマーカーを探索する. 本研究は以下の6つのテーマから構成される.1.内因性および外因性MSCを異なる分子で標識をする.2. Cadaver由来MSCの有効性,安全性を確認する.3.MSCの腸組織への生着機序およびそのcueを明らかにする.4.MSC治療の信頼性を向上し,その有効性機序を検討する.5.in vitro細胞融合およびin vivo eGFP/LacZ陽性細胞の再プログラム化を証明する.6.炎症と発癌におけるMSCの役割を解明する.Cadaver由来MSCの分離・培養は,これまでに9例の採取を行い,2例でpassage 3までの継代が可能であった.死後6時間以内,常温搬送が重要で,培養には20%FBSを要した.今後,MSCの分離・培養法を確立し,MSCの特性を評価する.その上で改めて上記1-5を遂行する必要がある.上記6に関しては,MSCはazoxymethane (AOM) 関連発癌に対し,①O6メチルグアニン(O6MeG)付加体そのものを減らし,②acute apoptotic response of genotoxic carcinogen (AARGC)を免れた細胞をG1期停止やアポトーシスに導く,2つの新しいchemoprevention機序によりイニシエーションを解除することが推定された.
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Research Products
(6 results)