2013 Fiscal Year Annual Research Report
心臓幹細胞は生理的にどのような働きをしているのか?
Project/Area Number |
23659417
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内藤 篤彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10588891)
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Keywords | c-kit / 心臓幹細胞 / 心筋細胞 |
Research Abstract |
平成24年度に作成したc-kit遺伝子のプロモーター、第一エクソン、第一イントロンを含むベクターにtTA-IRES-EGFP遺伝子を挿入したコンストラクトをマウスES細胞に導入し、緑色蛍光で標識されるc-kit陽性細胞が心筋幹細胞および心筋細胞へと分化するか検討を行った。エレクトロポレーションによる遺伝子導入を行った後、浮遊培養法で心筋細胞へと分化誘導した。予想に反して遺伝子導入後もマウスES細胞は緑色蛍光を発せず、分化誘導後も緑色蛍光は観察されなかった。コンストラクトのサイズが大きいため、十分なコピー数が細胞内に導入されなかったことが考えられた。 一方、平成25年8月にNadal-Ginardらによって、本研究計画の目的と全く同一の実験が行われた (Ellison et al. Cell 2013)。Nadal-Ginardらはc-kit遺伝子プロモータによってCreを発現するレンチウイルスを作成し、これをCre/LoxP反応が起こることで蛍光を発するマウスに注射することで、心臓におけるc-kit陽性細胞を標識している。遺伝的に誘導性にc-kit陽性細胞において遺伝子改変を行う我々のシステムのほうがより正確な系ではあるものの、簡便性・迅速性という観点から、Nadal-Ginardらが採用したレンチウイルスのシステムを用いたほうが良かった可能性がある。なお、Nadal-Ginardらの報告ではc-kit陽性細胞が内因性の心筋再生に必要十分であることが示されている。
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