2012 Fiscal Year Annual Research Report
海洋由来天然化合物exiguolideの新規抗腫瘍メカニズムの解明
Project/Area Number |
23659427
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保 裕司 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20332504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
不破 春彦 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (90359638)
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Keywords | 癌 / 薬学 / 薬剤反応性 / 海洋生物 / シグナル伝達 / マイクロアレイ / 創薬 |
Research Abstract |
海綿由来天然化合物exiguolideを人工合成し,新たな抗癌剤を開発することが本研究の目的である.平成25年度は,exiguolideの構造をもとに改良を加え合成した類縁体の評価を行った. 1.培養癌細胞系およびin vivo動物モデルを用いたexiguolide構造類縁体の抗腫瘍効果の検証 exiguolideをより親水性にした構造類縁体を合成し,培養肺癌細胞のH460(大細胞肺癌)とA549(肺腺癌)において細胞増殖抑制効果を確認した.その結果,いくつかの類縁体でexiguolide同様の癌細胞増殖抑制を示すことが明らかとなり,報告した (Org Biomol Chem, 2013).それらの類縁体がin vivoにおいても抗腫瘍効果を発揮するか確認中である. 2.exiguolide抗腫瘍メカニズムの解明 培養癌細胞の解析より,exiguolideの増殖抑制作用の一部は,細胞周期への作用であることが明らかとなった.exiguolideは天然由来化合物であるため,多くの作用点を持つと考えられた.そこで,exiguolide抗腫瘍メカニズムを網羅的に解析するため,培養癌細胞(H460またはA549)にexiguolideを作用させ,系時的な遺伝子発現変化をマイクロアレイで解析した.その結果,癌細胞の種類によってその作用点が異なり,そのため多彩な抗腫瘍効果をもたらしていると考えられた(論文投稿中).
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