2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659429
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
稲瀬 直彦 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60262185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
烏山 一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60195013)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 過敏性肺炎 / 好塩基球除去 / 肺線維化 / マウスモデル |
Research Abstract |
過敏性肺炎は吸入抗原により惹起されるアレルギー性肺疾患であるが、慢性期には特発性肺線維症(IPF)と類似する臨床像を示すことが知られている。これまで慢性過敏性肺炎の予後不良群はTh1/Th2バランスがTh2にシフトし、病態的にもIPFと類似することが明らかとなった。近年、慢性アレルギー炎症において好塩基球が重要な役割をはたすことが判明し注目されており、抗原により活性化された好塩基球はリンパ節におけるTh2細胞の分化に大きく関わることが示されている。本研究では、最近開発された好塩基球を選択的に除去するシステムを応用することにより、慢生過敏性肺炎における好塩基球の役割を明らかにすることを目的とした。 好塩基球選択的モノクローナル抗体(anti-CD200R3、Ba103)はIgG2bサブクラスに属し、BALB/cマウスとC57BL/6マウス生体内では30μgの1回投与により1日後には末梢血好塩基球数が約20%レベルまで低下し、10日間は同じレベルで推移することが示された。これまで当研究室で樹立された鳩糞抽出物(PDE)を吸入抗原とした慢性過敏性肺炎モデルはA/Jマウスを使用したものであるため、このモノクローナル抗体の効果をA/Jマウスで検討する方針とした。末梢血好塩基球数をリンフォセパールを使用した単核球における割合として評価した場合、A/Jマウスでは0.42±0.14%、BALB/cマウスでは0.81±0.10%という結果であった。A/Jマウスにおける好塩基球が少ない理由として、A/Jマウス好塩基球がCD49b発現していないことも懸念され、FcεRlαとCD49bの二重陽性細胞を評価対象とすることの是非が検討された。以上より、A/JマウスではなくBALB/cマウスを用いてPDEによる慢性過敏性肺炎モデルを作製する方針となった。PDEは感作後に週1回・4週間連続曝露を行い、病理組織像、コラーゲン量、各種サイトカインRNA発現について検討を進めている。
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