2011 Fiscal Year Research-status Report
蛋白相互作用阻害によるWNKキナーゼ阻害薬の効率的スクリーニング
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23659439
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
内田 信一 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50262184)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | キナーゼ / ケミカルライブラリー |
Research Abstract |
本研究では、腎臓膜輸送体分子と輸送体分子に結合してその制御をおこなう蛋白との結合を阻害する物質を、in vitroの蛍光相関分光法による蛋白結合検出により効率よく探索する方法を確立し、腎臓膜輸送体分子に対する新規機能阻害物質を発見することを目的として開始された。いくつかの候補のうち、23年度にはWNKキナーゼについて、その下流のキナーゼであるOSR1/SPAKとの結合阻害物質のスクリーニングの系を立ち上げることを行った。その結果、蛍光ラベルされたWNK4のOSR1/SPAKとの結合部位に当たる部分の合成ペプチドの溶液中での並進拡散時間が、蛍光相関分光法を使用した機器にて測定できることを確認した。更に、それにGST蛋白との融合蛋白としたOSR1/SPAKを添加すると、蛍光ラベルされたWNK4断片とOSR1/SPAKが結合して複合体形成をする事により、有意に並進拡散時間が延長する事も確認でき、結合阻害物質のスクリーニングの系を立ち上げることができた。このスクリーニング系の確立により、約2万の化合物ライブラリーをのスクリーニングを現在行っており、すでにいくつかの有望化合物が同定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の根幹であるスクリーニングの系を蛍光相関分光法を用いた機器にて立ち上げることが出来、実際に2万種程度の化合物のスクリーニングを終えることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
WNKキナーゼ阻害薬に関しては、今後得られたシード化合物の評価を細胞培養系、動物実験で確認しつつ、化合物修飾を加え、より効果の強く、毒性のない実際の薬剤の候補となる化合物を得ていく。AQO水チャネル、CLCクロライドチャネル阻害薬に関しては、WNKキナーゼで23年度に成功したノウハウを転用し、WNKキナーゼと同様のスクリーニング系を立ち上げ、2万種の化合物のスクリーニングに入りたい。その結果次第で、WNKキナーゼと同様に、シード最適化に進む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の主体は、スクリーニング系を構成するELISAプレートの購入費や蛍光ラベルペプチド合成費、培養細胞に必要な物品代、動物(マウス)の購入費、さらに有望候補薬剤の購入費である。その他、一般実験試薬の購入にあてられる。
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Research Products
(9 results)