2012 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白相互作用阻害によるWNKキナーゼ阻害薬の効率的スクリーニング
Project/Area Number |
23659439
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
内田 信一 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50262184)
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Keywords | リン酸化酵素 / ケミカルライブラリー / 高血圧 |
Research Abstract |
腎臓膜輸送体分子の新たな制御法を模索するため、輸送体分子を制御する細胞内シグナル伝達分子の阻害をその方法論として掲げた。実際にはシグナル分子間の蛋白-蛋白結合を阻害する事で、シグナルカスケード全体を阻害する試みを、遺伝性の高血圧症である偽性低アルドステロン症II型の病態に関わっているWNK-OSR1/SPAK-NCCシグナル系にて行った。 まず、in vitroで蛍光相関分光法により、2分子の結合を効率よく探索する方法を確立した。実際には、オリンパス社製のFluoropoint Lightという機器を使用し、TAMRA蛍光ラベルしたWNK4由来ペプチドと、そのWNK4の部分と結合することが判明しているSPAKのCCTドメインをGST結合蛋白として用意し、両者の結合により蛍光ペプチドの分子のゆらぎが減少するという現象を利用してスクリーニング系を立ち上げた。その後、この新規スクリーニング法を用いて、WNKキナーゼとSPAKキナーゼの結合阻害物質を、東京医科歯科大学ケミカルライブラリーセンター所蔵の1万7千の化合物ライブラリーからスクリーニングを行った。その結果、再現性を持って両者の結合を阻害するシード化合物を11種同定し、その後培養細胞系にてシグナル伝達遮断を確認できたものは3種あった。うち、2種について化合物修飾により、毒性の低下、可溶性の増加、効果の増強をめざし、シード最適化を行っており、生体内でも目的とした効果が得られる化合物を探索中である。
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Research Products
(24 results)