2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規病原体センサー・内因性リガンド系が織りなす急性腎不全の新たな制御機構の解明
Project/Area Number |
23659440
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
菅波 孝祥 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50343752)
|
Keywords | 腎虚血再灌流傷害 / マクロファージ / 急性腎不全 / 炎症 |
Research Abstract |
急性腎不全における非感染性炎症の分子機構の解明を目的として、腎虚血再灌流傷害における新規病原体センサー・Mincleの意義を検討した。 1.Mincle発現細胞に関する検討:骨髄移植法により作製した骨髄細胞特異的Mincle欠損マウスではMincle発現を全く認めなかったことより、Mincleは骨髄細胞にMincleの発現が限局していると考えられた。in situ hybridization法により、Mincle発現細胞の一部はマクロファージマーカーと共染した。フローサイトメーターを用いた解析により、F4/80 hiと比較してF4/80 loの分画にMincleの強い発現を認めた。一方、F4/80(-), Gr1(+)分画にも強いMincle発現を認め、好中球においてもMincleが発現すると考えられた。 2.腎虚血再灌流障害におけるMincleの病態生理的意義に関する検討:Mincle欠損マウスに腎虚血再灌流モデルを作製したところ、野生型マウスと比較して、血中BUN, クレアチニンの上昇が軽度に止まった。F4/80 mRNAの誘導はgenotype間で差を認めなかったが、interleukin-6, MCP-1 mRNAはMincle欠損マウスにおいて上昇が軽度に止まっていた。骨髄細胞特異的Mincle欠損マウスにおいても同様の結果が得られ、腎虚血再灌流傷害に伴ってMincle陽性骨髄由来細胞が腎局所に浸潤し、病態形成に関与すると考えられた。
|