2011 Fiscal Year Research-status Report
Aβオリゴマーカルシウムチャンネルに着目したアルツハイマー病神経変性機構の探索
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23659449
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
松原 悦朗 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70219468)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | Aβオリゴマー / カルシウムチャンネル / シナプス / 神経細胞変性 |
Research Abstract |
平成23年度は、分子量で分画取得した100kDa以上のサイズの抗Aβオリゴマーがカルシウム流入効果を最大限に発揮し、細胞死を惹起することの傍証を得た。また培養神経細胞におけるこのカルシウム流入効果に起因した細胞死を既存のカルシウムチャンネル阻害薬(MK-801, D-AP5, Nifedipine)は阻害できず、我々の開発したAβオリゴマー特異的抗体のみが阻害可能であることを確認した。また市販の抗Aβ抗体(抗Aβオリゴマー抗体A11を含む)ではその阻害活性を認めず、我々の抗体が認識する構造体のみに、カルシウムチャンネル活性が存在すると考えられた。また、アルツハイマー病モデルマウスに施行した免疫療法でその記憶障害発症効果が確認されているが(Takamura A et al, Mol Neurodegener, 2011)、その治療マウス脳解析の結果、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ(CaMKII)の自己リン酸化が亢進していること、一方でNMDA受容体のNR2Bのリン酸化には著変を認めぬことが明らかとなり、NMDA受容体非依存的なカルシウム流入がアルツハイマー病モデルマウスにおける記憶障害発症に深く関与していることを明らかとした。一方、CREB自体の変化は明らかでなく、一方でPSD95の優位な維持効果が治療マウスで認められる点から、Aβオリゴマー自体が形成するカルシウムチャンネルの主座はシナプスと考えられ、Aβオリゴマーの神経毒性発揮部位として矛盾しない所見であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究はおおむね順調であり、次年度へつながる成果が得られてる。
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Strategy for Future Research Activity |
アルツハイマー病の治療ではなく、先制医療を可能とするツール開発が最終目標であるが、本年度の研究成果はAβオリゴマー由来のカルシウムチャンネル阻害薬にその整合性が得られ、本研究遂行に意を強くしたものである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
培養細胞実験において、Aβオリゴマー特異的抗体活性を有し、またカルシウムチャンネルブロッカー活性をあわせもつ持つ機能性ペプチドを設計・同定し、前臨床試験でその有用性を検証する。
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